常歩、速歩と特に大きな壁にぶつかることなく上達してきた人も、駈歩の発進が上手くできなくて苦労するかもしれません。
駈歩がスムーズに出せれるようになると、乗馬の楽しさも何倍にも膨らみます。
1.駈歩発進のやり方
駈歩発進をするには、まず馬を屈撓させて力をためます。
これには、脚で推進させる力を加えながら、同時に拳を抑えて前進させないことが必要です。
それができたら外方脚を少し後ろに引き、内方脚と外方脚で挟み込みます。
この駈歩の用意ができたら後ろに下げたままの外方脚で腹を圧迫して駈歩を発進させます。
2.よく見られる失敗例と原因
駈歩発進の失敗例としてよくあるのが、馬の速歩の速度がどんどん上がり駈歩にならないことです。
この状況で馬は、乗り手の指示を「加速」としてうけとっていることになります。
考えられる原因は、手綱の緩みです。
手綱を抑えないまま脚を入れれば、馬には推進だけの扶助が伝わり加速します。
駈歩は、後肢で踏み込ませることが必要になります。
そのため、手綱を抑えて前進を防ぎながら脚で推進扶助を出し、圧縮された力を使って後肢を腹の下で踏み切らせなければなりません。
そのため、拳は一つ分ほど抑えて握りましょう。
また、スムーズな駈歩での発進ができない原因によくあるのが、馬に駈歩の準備をさせられていないことです。
屈撓もせず、集中もしていない時に駈歩の扶助を出しても馬は聞いていません。
乗馬における非常に大切なポイントですが、馬を集中させ、力を溜めたところで外方脚の扶助を使ってみましょう。
さらに、せっかく外方脚の扶助を使っているのにその時間が短すぎる場合も、スムーズに駈歩を出すことができません。
この脚の扶助がどのぐらいの長さ必要かは、馬によって個体差があります。
それで、完全に駈歩になるまで脚を入れ続けるようにしましょう。
駈歩が出たと思っても、またすぐに速歩に戻ってしまうパターンもよく見られます。
この場合も、脚による扶助が足りない、または曖昧であることが考えられます。
一度駈歩が出たからといって、ほかっておいても駈歩が続く訳ではありません。
脚でしっかりと推進させ続けましょう。
またこの時に、騎座を前方にスイングさせるように使うのも効果的です。
駈歩になった途端に緊張して拳を引いてしまう人がいますが、これでは馬に止まれの指示を出していることになり、馬は混乱して速歩になったりよれたりします。
乗馬の正しい拳の位置を常に意識すること、また駈歩の随伴によってバランスを保ち手綱に頼ることのないようにしましょう。
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