ビリヤードの様々なショットの中のコンビネーションショットのやり方と使い方をご紹介します。
1.ビリヤードのコンビネーションショットとは
コンビネーションショットの定義は諸説ありますが、ここではポケットされる第1的玉を第2的玉にヒットさせてから第2的玉をポケットするショットをコンビネーションショットということにします。
「コンビネーション」の頭の文字をとって単に「コンビ」と呼ぶことが多いです。
また、コンボと呼ぶ場合もあります。
第1的玉と第2的玉の2つの的玉が連なっている様からコンビネーションショットと名付けられたのだと思われますが、転じて3個4個が連なるものも同じくコンビネーションショットと呼ぶ場合が多いです。
第1的玉は手玉が最初にヒットする玉でポケットする的玉のことを言います。
第2的玉は第1的玉がポケットする前にヒットする的玉のことを言います。
同様に第n的玉と言えば第n-1的玉がヒットする的玉のことを言うことにしておきます。
2.コンビネーションショットのやり方
コンビネーションショットは第1的玉とポケットされる第2的玉のイマジナリーポイントの距離が大きな成功のカギになります。
この距離が近すぎる場合、極端にいうと第1的玉と第2的玉が接しているような場合は、第2的玉は接点と玉の中心を結んだ線上にしか進みません。
逆にこの距離が遠すぎるときには第2的玉のイマジナリーポイントに正確に第1的玉を入れることが難しいので、成功の確率がどんどん下がっていきます。
一般的にビリヤードにおいては、距離が2倍になると4倍難易度が上がるとされています。
ただでさえ入らないのに4倍精度が落ちたら入るはずがないですよね。
やり方は口で言うのは簡単で、第1的玉が第2的玉のイマジナリーポイントに入るように狙うだけです。
コンビネーションショットは、第1的玉でなく第2的玉がポケットされることが大きな特長です。
ナインボールなど、ある特定の的玉を落とすと勝ちとなるゲームの場合、このコンビネーションショットを使うと一撃でゲームを奪うことができます。
上級者のプレーを観察するとわかると思いますが、コンビネーションショットはかなり難易度の高いショットです。
確実に1個ずつ的玉をポケットしていくほうがずっと簡単で確実な方法なので、上級者はあまり頻繁にコンビネーションショットは使いません。
なので、使うところを見極めて使うのが良いです。
また、どう撞いたらよいか困ってやることが見つからないようなときは、ゲームボールに向かってコンビネーションショットをしてみるのもよいかと思います。
フロック(まぐれ)でゲームボールがポケットされてしまうこともあります。
ちなみに上級者からするとこのフロックで負けるのは非常に悔しい負け方です。
番狂わせがおこるときは、こうしたフロックが必ず絡んできます。
困ったときコンビネーション。
覚えておくとどこかで役にたつかもしれません。
3.コンビネーションショットの使い方
第1的玉とポケットの間に障害物となる別の的玉があるような場合がありますが、その障害になる的玉がポケットできるような場合があります。
先ほども言いました通り、コンビネーションショットは第1的玉と第2的玉の位置関係が大きなカギになります。
毎回毎回都合よく第1的玉と第2的玉が良い位置関係にある訳ではないので使えるシーンは比較的少ないです。
第1的玉と第2的玉の距離が30cm以内、手玉と第1的玉の距離が50cm以内、かつ第1的玉、第2的玉への厚みが厚いほうが狙いやすいことが多いです。
4.コンビネーションショットはツウのショット
コンビネーションショットはポケットビリヤードのショットでは希少価値の高いショットといえます。
それだけに、的確に使いどころを間違えないでショットを決めきることができれば上級者から見て、「こいつなかなかヤリおるわい!」「ツウなショットを知っとるやないかい!」など少し尊敬の眼差しで見られるかもしれません。
ちょっとオシャレなショットがこのコンビネーションショットです。
おしゃれとは裏腹に、このコンビネーションショットは「失礼なショット」と思われることがよくあります。
突然勝利を決めるゲームボールが苦し紛れではなったコンビネーションショットでフロックで落ちるようなことがあるため、入れられた相手からすると、非常に悔しいショットだからです。
初心者の方は、そんな悔しさには気を使わないでどんどん積極的に使えばよいと思いますが、このコンビネーションショットが確率が悪い不正確なショットだということも同時に覚えておくのが良いかと思います。
きっと自分が上級者となったとき、初心者の方からコンビでゲームを落とすことがあると思います。
そのときに、今読んだことを思い出してみてください。(笑)
5.コンビネーションショットの応用
配置次第ですが、キックショットはいろいろなショットと複合して使えるショットです。
コンビネーションショットやキックショットと組み合わせて、最後の第n的玉のイマジナリーポイントにポケットがあるような場合に成立し、複雑な配置でも、最後の的玉のイマジナリーポイントに正確に的玉を運べれば、ポケットされるので、配置次第では確率の高い場合もあります。
極端な例では、第1的玉と第2的玉がポケットに向かって接しているような場合で、この場合は手玉をどのように第1的玉に当てても第2的玉はポケットの方向にしか進みません
配置をよく見て、使えると確信したときには積極的に使ってみましょう。
6.コンビネーションショットの特例
コンビネーションショットで第1的玉と第2的玉が接しているような場合があります。
このとき気を付けるべき点としてスロー(slow)という事象があります。
第1的玉と第2的玉が接している場合は、第2的玉が動き出す瞬間に玉同士の摩擦がわずかに発生します。
この微妙な摩擦で、第1的玉の進む方向に第2的玉もわずかに進路がズレます。
この現象をスローといい、ポケットまでの距離が大きくなればなるほどスローのズレも大きくなり結果ポケットできないことがあります。
ですので、第1的玉と第2的玉が接している場合には、このスローの量を読んでからコンビネーションショットをするようにしましょう。
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