歩法という単語、聞き慣れない人の方が多いのではないでしょうか。
漢字の通り、歩く方法の事を指す言葉です。
合気道に限らず多くの武道で正しい歩き方は大切にされています。
相手との距離を詰めるには自分から近づくか近づかせるしかありません。
隙だらけの歩き方をしても良いものでしょうか。
勿論ダメですね。
単に歩くと言っても、実は奥深い部分があるのです。
正しい歩き方とはどの様なものでしょうか。
今回は合気道における歩法をご紹介します
1.正しい歩き方とは
歩くというのは1日で多くの時間を費やす行為ではないでしょうか。
普通の歩き方と歩法の違いはどの様な点にあるのかを説明していきます。
1. 摺り足
剣道をやった事がある方は知っているかもしれません。
摺り足は、文字通り地面に足を摺る様に動かしていく歩法です。
摺り足での正しい歩き方は踵を上げず足の裏全体を地面と平行に動かす事です。
しっかりと出来ていると、肩が上下しないのでとても滑らかに見えます。
相対している相手からしてみれば、距離が突然詰まるので恐ろしい歩法でもあります。
肩の上下がないというのは動きの予想がつかない為、足先だけ距離を詰める事で相手が思うよりも近づく事が可能となるのです。
2. 腰歩き
聞き慣れない単語だと思います。
簡単に想像してもらうとしたら、抜き足差し足忍び足と言われているものです。
この歩法における正しい歩き方は、踵や足先から動かさない事です。
肩を上げずに足を上げてみてください。
少し難しいかもしれませんが、両膝を少し曲げながら行うとやりやすいと思います。
足先や踵を使って踏み出す力はとても強く感じますが、地面とは反発している状態です。
常日頃の歩き方はこの足先からの力を使っているのではないでしょうか。
滑る床や氷の上では足先という末端から動かすのは危険です。
腰歩きでは起点は腰ですので、不安定な足場でもブレる事なく移動する事ができます。
相手に合わせて動く事が重要となる合気道においては非常に正しい歩き方と言えると私は考えています。
2. 歩法の上達へのコツ
歩法の上達のコツは何でしょうか。
それは、腰を落としておく事です。
落としておく、とは上下に動かさないとでも言いましょうか。
腰の高さをそのままに足を動かす事を意識して稽古に励んでみて下さい。
この練習では第三者視点の評価が大事です。
自分のイメージと本当の動きが合わさる事は殆どありません。
完璧に出来ている様に感じてしまう事がとても多いのです。
鏡を見ながら行う事で第三者的な視点を持ちつつ稽古をすれば上達は早いでしょう。
更に相手に見てもらいながら歩法を行えば、相手からの感想を手に入れる事が出来ます。
如何に相手が大事か分かるかもしれません。
相手もとても良い体験となるはずです。
コツは第三者視点での稽古ですので、反復して行い動作を身に付けていきましょう。
以上、合気道経験者の考える正しい歩き方と上達のコツでした。
コメント