一教から二教と技についての紹介をしてきました。
次は三教技の紹介をしたいと思います。
教技の稽古をするにあたり、この数字の順序は守ると良いです。
一教ができていないのでは二教は出来ませんし、二教ができなければ三教は出来ません。
各技に前の技の特徴が含まれているからです。
今回は逆半身方手取り三教(表)という技を紹介します。
1. 逆半身片手取り三教(表)
逆半身片手取り三教(表)は、逆半身と呼ばれる相手と自分が鏡写しになった姿勢で片手を取った状態から始まります。
鏡写しの姿勢とは、自分の半身が右手前右足前の際に、相手は左手前右左足前になっている姿勢です。
その状態から前に出している手を相手に掴んでもらいます。
これで技の準備が整いました。
逃げようとした際に手を掴まれたとしたら現実にも起こる事かもしれません。
前述した事例は年末などには多いかもしれませんね。
ここから、技に入ります。
逆半身片手取り三教(表)で意識してもらいたい事は、手を上に上げて下に降ろす動作である、という事です。
手の振り方に関する詳細は、相半身方手取り一教にて紹介しましたので参考にして下さい。
逆半身片手取り三教(表)では、片手を取られた状態でこの手を上げて降ろす動作をします。
逆半身片手取りの状態からその動作をするのですが、コツを掴むまでは難しいはずです。
手首を掴まれている時に、手の力でそれを上に上げるのは理に適わないからです。
しかも相半身と違い、相手の手の平を外側に向けることが困難な事に気がつくはずです。
というのも、逆半身の状態で相手の手の平を、力を使わずに裏返すにはそのままだと危険が伴います。
逆半身の状態では、相手は稼働できる隙間が多くある上に、そのまま正面に入身をすると相手の正面に手を引っ張られて誘導される危険性が非常に高くなります。
自分より力の強いものに正面に立たされる。
こうなってしまっては、負けてしまったも同然です。
そこで、逆半身片手取り三教(表)の場合、相手側に入身すると同時に顔に向けて手を出します。
掌底を打つイメージです。
人は顔付近に何かが迫ると必ず回避をしようとします。
万端の準備がなければ仰け反る事でしょう。
そこから、掌打をした手を掴まれている手に近づけます。
同時に掴まれている手の指先を天井に向ければ、空いている手で掴みやすい位置に相手の手首が来ます。
相手の手首を掴んだら、そのまま一教の手の動作を行う事で相手は姿勢が崩れ裏返ります。
ここまでの流れは一教とほぼ変わりません。
逆半身片手取り三教(表)ではここからが変化します。
特徴的な手の捻りとそれを利用した崩しが入るのです。
一教と同じ様に相手の手を一緒に下に振り下ろした状態では相手の手の平が天井を向いているはずです。
二教では相手の腕と手を返しつつ親指で親指を掴みましたが、逆半身片手取り三教では手の握り方が違います。
三教では相手の手の平を手首付近に据えた手を添えます。
なお、掴めと教える道場もありますので、道場の方針に準じて下さい。
その後、肘付近にあてた手の親指で相手の親指を掴み、相手を上に捻りあげていきます。
あまり力を入れると相手の手首の骨が外れますので、受け手の反応には素直に応じて下さい。
この状態では相手は足が爪先立ちの様になり、力が入りません。
その後、親指を掴んでいる手を下に返せば相手の体も前に倒れていきます。
相手の体が前に倒れたら、添えていた手を相手の肘にあてます。
手を決めたまま、相手の前方に転身し後ろに下がれば相手は倒れます。
倒れた相手の肩を膝で挟み、掴んでいる手とは逆の手側の肘で相手の手の平を挟み前方に倒していきます。
二教とは逆の形で抑える訳です。
以上で、逆半身片手取り三教(表)の流れは完了です。
2. 逆半身片手取り三教(表)上達のコツ
逆半身片手取り三教(表)の上達のコツは何でしょうか。
上達のコツは一教をしっかりと復習する事です。
そもそも最初に手刀への対処が出来ていないのでは三教の手の返しにたどり着けません。
相手よりも優位な姿勢だからこそ三教の持ち替えが可能となる訳です。
以上、合気道経験者の考える逆半身片手取り三教(表)と上達のコツでした。
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