合気道の稽古には次々と技を掛け合うという特徴があります。
何度も型を繰り返すには受手が止まらない受け身を取る必要があるという事です。
合気道には繰り返し稽古に役立つ「回り」という受け身の仕方があります。
今回は、後ろ受け身に関係する後ろ回り受け身を紹介したいと思います。
1.後ろ回り受け身について
後ろ回り受け身とは後ろ受け身の際に行う事で効果が出る動作です。
ポイントは「回り」という言葉が後ろ受け身に追加されている事となります。
後ろに回るとなると、でんぐり返しやバク転をイメージする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どちらも回っています。
回転をするという事については同一です。
しかし、合気道の後ろ回り受け身は他にはない特徴があります。
それは地面と喧嘩をしない事です
地面と喧嘩をしないとはどういう事かというと、働く力と喧嘩をしないという事です。
後ろ受け身の際に働く力は、当然ありすぎて書ききれませんが、主に実感しやすいものを考えてみましょう。
一つ目は技をかけられる力(押される力も含む)、二つめは地面と接触する際の力、三つめは身体のに働く勢い、実感しやすいのはこの三つではないでしょうか。
後ろ回り受け身ではこれらの力を上手く利用する事を考えます。
まず、最初の起こりは後ろ受け身の際と同じです。
押される力・後ろに行く力に逆らわずに身体を後ろに傾けていきます。
後ろ受け身では両手を折りたたんでいましたが、後ろ回り受け身では少し違います。
右手を使う場合で説明します。
右足を折りたたみ、地面に触れるようにしていく際に、右手を手刀の様にし、胸の前に持っていきます。
その後、背中を地面に触れさせていきます。
その時に右手を地面に触れさせ支点とします。
その後、右肩の方に顔をつける様にします。
空いた左肩の部分を軸として、デングリ返しの様に後ろに身体を回転させます。
デングリ返しでは頭が軸ですが、合気道では肩を軸にします。
勢いをそのままに、立ち上がれれば後ろ回り受け身は完成です。
3. 後ろ回り受け身上達のコツ
後ろ回り受け身の上達のコツは何でしょうか。
反復練習は当然なのですが、良い方法が一つあります。
それは段階をつけて練習することです。
足を折り曲げ倒れていき、右手を地面に触れさせる。
その際に、左手を使わなければ倒れる勢いで足が上に上がります。
そして、右側を向く。
そこまでで止めてみましょう。
それに慣れたら足を上に上げる所まで、と言うように段階ごとに繰り返していきます。
繰り返すことで身体は動作を覚えていきます。
ちなみに後ろ回り受け身には後ろに前回り受け身をするという次の段階があります。
上手くできると右手から左手に肩を経由して円の運動をする様な形で回れます。
痛みも感じず、素早く立ち上がる事も可能です。
稽古を続けて上達していきましょう。
以上、合気道経験者の考える後ろ回り受け身と上達のコツでした。
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