今回は合気道の四方斬りについて紹介します。
合気道には剣術の理合が含まれています。
開祖が合気道を開眼した際に、ある剣術の理合だけは残ったという話しもある事から身体の動きの理に合った動きであるということかもしれません。
記事を書いている私は剣道を学んでいましたが、すり足や素振りの動き方が合気道を学ぶ際に同じでした。
しかし剣道と剣術の理合は少し違います。
今回は合気道における剣術の理合を取り入れ技の動きを学ぶ稽古の紹介となります。
1. 四方斬り
合気道四方斬りは半身の構えで右手を上、左手を下にして刀を持った状態か持たずに持ったと想定した状態で始まります。
この稽古では直接相対する相手は必要とはしません。
まず前に進みながら手を振り上げて刀を振りかぶり、後ろ足を引きつけるのと合わせてヘソの前に左手が来るように手を振り下ろします。
これで一太刀目の動きが完了です。
ここから足の位置は変えずに足の向きを変え後ろに振り返れる様にします。
丁度反対方面にふり返る様なイメージです。
ふり返る際に同時に刀を振り上げます。
そして、一太刀目と同じ様に前に進みつつ振り下ろします。
この動きは前後斬りの記事内容と同一ですが四方斬りはここから続きがあります。
四方斬りの場合、二太刀目から追加の動きがあります。
半身の構えで後ろ足は側面に向けて開いています。
その開いている方向に身体の方向を向けて半身の構えとなり、そこからもう一度一太刀目の動きを行います。
その後は最初と同じ様に後ろに振り返りながら刀を振り下ろし二太刀目を振り下ろします。
最初の二撃と追加の二撃を合わせて四度の斬りを行う事で四方斬りの動作が完成します。
以上で合気道四方斬りの流れは完了です。
2. 四方斬りの上達のコツと効果
合気道四方斬りの上達のコツと効果は何でしょうか。
上達のコツは転身の体捌きを上手く行う事です。
半身の構えから後ろに振り向くというのは足捌きの一つですが、振り向く時に腰が浮いていると振り向く自分の勢いに負けてよろけてしまいます。
素早く後ろに振り向くというのは足捌きの動きをしっかり練習していないと上手くはいきません。
刀を持たずに何度か練習してみて下さい。
四方斬りの稽古で得られる効果ですが、徒手の技が磨かれる事です。
四方斬りとは決められた方向に斬る事を目的としているのではありません。
四方に斬撃を自由に行える足捌きから身体の動きの自在さを養っています。
顕著に効果が現れるのは四方投げです。
四方投げについては合気道両手取り四方投げの記事を参照してください。
名前が似ているという事もありますが、四方投げの動きがそもそも四方斬りと同じです。
刀を持たずに相手が手を握っている状態で四方斬りを行えば四方投げとなります。
動きだけでなく、四方投げの終盤で相手を投げる際に相手が投げられまいとして抵抗をして時に、四方斬りの考え方で四方に振り下ろす事で相手の抵抗を無意味にさせる事が可能です。
以上、合気道四方斬りの上達のコツと効果でした。
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