よく合気道を習っていると言うと「気を出してくれ」とか「波動を出してくれ」などと言われますが、出せるならだしてみたいものです。
一度だけある道場で不思議な練習をした事があります。
一人を目隠しして、10人程で囲んでから声を出さない合図をしたら手から光線を出すイメージをするというものでした。
目隠しをしていただいた方には何かを感じたら手を挙げる様にお願いをしました。
結果は驚きなのですが、目隠しをされていた方は合図と同時に手を上げたのです。
目に見えない力を実感した面白い体験でした。
しかし通りすがりの人が見たら、不気味がられる事は間違いないかもしれませんね。
そんな合気道の技の紹介ですが、今回は正面打ち一教(表)を紹介します。
1. 正面打ち一教(表)
正面打ち一教(表)は、相半身の姿勢から始まります。
そこから受け側が手刀を打つので、その手刀に対する返し技として練習をします。
正面打ちでは、相手が前に出している足を踏み込みながら手刀を放ってきます。
相手が技に入るのに合わせて、相手に向かってこちらも前に出ましょう。
相半身の状態ですので相手とは逆の足が前に出ているはずです。
足の動きはこれで問題ありません。
ここから自分の足の動きと相手の振り上げる手の動きに合わせて技をかけます。
相半身の場合、上半身はTVの時代劇の侍が刀を持った状態の方を手放した状態と言えます。
刀を持たないまま刀を振り下ろす動きが正面打ち一教の上半身の動きです。
正面打ち一教(表)でも意識してもらいたい事は、手を上に上げて下に降ろす動作である、という事に変わりは無いという事です。
手の振り方に関する詳細は、相半身方手取り一教にて紹介しましたので参考にして下さい。
正面打ち一教(表)では、振り上げた手を相手の肘と手首の近くにつけます。
相手の手を振り上げた勢いに自分の力を添えていきましょう。
うまく事が進めば、相手は仰け反ります。
そのまま相手の手刀を打った手を自分のお腹付近まで手を下ろしつつ掴みましょう。
崩れた相手の顔の方に向けて歩を進めると相手は倒れざるをえなくなります。
倒れた相手に残心としての抑え込みを行いましょう。
残心については相半身方手取り一教の記事を参照してください。
以上で、正面打ち一教(表)の流れは完了です。
2.正面打ち一教(表)上達のコツ
正面打ち一教(表)上達のコツは何でしょうか。
正直に言えば、手刀一つでも言葉では説明できないほど考える事や行なう事があります。
しかし、上達に関して言えば大事なことは「いかに力任せにしないか」という事です。
男性は特に顕著ですが、上手くいかない事に対して力で無理やり形を整えようとしてしまいがちです。
上達のコツは、上手くいかない時に仕切り直す事です。
振り上げる途中でこちらの力を合わせられなければ、必ず振り下ろす相手の力が勝ります。
重力の法則上これは必ず起きるのです。
振り下ろされた時点で技の難易度も内容も変わります。
失敗したと感じたら、相手に頼みもう一度やり直しましょう。
やり直せる事こそが稽古の強みなのですから。
以上、合気道経験者の考える正面打ち一教(表)と上達のコツでした。
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