合気道を習い始めた時に周りの人から度々言われたのが、「実戦向きじゃない」「現実は違う」などといった事でした。
確かに現実では正面打ちよりも襟首を掴んでフックが飛んでくる事でしょう。
しかし、稽古を続けている内に気づいたのはとてつもなく役立ってしまうという事でした。
力に対する考え方が非常に研ぎ澄まされているのです。
私は剣道や空手も習っているのですが、小柄なので身体の大きな人と戦う為にいつも身体を鍛えていました。
筋肉をつける事で大きな人間にも負けない様にしようとした訳です。
しかし、大は小を兼ねるという言葉にもある通り大きくて鍛えている人には手も足も出ませんでした。
ですが、合気道を習い始めてからというもの、場外に押し出されたり力の競り合いに負けて後退させられるという事がほぼ無くなりました。
以前より無理せず疲れず稽古を続けられる様になっていました。
身体の使い方が上手くなっていた訳です。
実感できた時、更に合気道が好きになりました。
さて今回は合気道の正面打ち小手返しについて紹介をしていきたいと思います。
1.正面打ち小手返し
合気道の正面打ち小手返しは、相手と逆写しで向かい合う相半身の状態から始まります。
正面打ちについては、正面打ち一教(表)の記事を参照して下さい。
合気道正面打ち小手返しを簡潔に書きますと、刀や棒に見立てた正面からの手刀を打ってきた相手に対し、入身をしつつ手刀の力を横に逸らす事で下に落としつつ転換します。
逸らされて下がった相手の手を転換して相手側に近くなった手で押さえます。
下に下げられた事で姿勢を戻そうとする相手の力を抑えている手で感じたら、その力を一旦相手の前方に円を描く様に誘導してから誘導している手で相手の小指の付け根を掴み起き上がる方向と逆の方向に倒す事で相手を崩し投げる、という流れとなります。
ポイントを詳しく解説していきますが、投げた後に抑えたり抑えなかったりと種類があるようです。
残心については通う道場の方針を聞いて判断して下さい。
まず、最初のポイントです。
合気道の正面打ち小手返しでは「力を逸らす」という動作が重要になってきます。
この方法については、手刀を完全に避けるやり方と相手の手刀に合わせて受ける手を上げ下に逸らす道の代わりとするやり方があるようです。
こちらも道場の方針に従ってもらいたいですが、大筋とも呼べるべき事が一つあります。
振り下ろす力を逸らしている点です。
直に受け止めてはなりません。
怪我もしやすいですし、次の動作が遅れてしまいますので気をつけて下さい。
この後の流れは、合気道逆半身方手取り小手返しの記事で書いた事と同じですので参照して下さい。
以上で、合気道正面打ち小手返しの紹介は完了です。
2.合気道正面打ち小手返しの上達のコツ
合気道の正面打ち小手返しの上達のコツは何でしょうか。
受け手との力の掛け合いをしっかり行うことでしょう。
上手く出来ている場合には信じられないかもしれませんが相手の小手を掴む事はなくとも技がかかります。
無抵抗の練習相手がいた場合、少し技を止めて相手の力を待ってみるのが良いかもしれません。
以上、合気道経験者の考える合気道正面打ち小手返しのやり方と上達のコツでした。
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