ビリヤードのポジションプレーの基本原則とビリヤードのポジション・テクニック全般に関して書いてみます。
かなり壮大なテーマなのでフワフワーっと書いてみますので、読まれる方もイメージの足しぐらいに考えて読んでみてください。
章毎にいってることが矛盾するかもしれませんが、ビリヤードのポジションプレーってかなりモヤモヤした掴みどころのない話で、その場その場で逆も真みたいなことがよくあります。
そのあたりも考慮してフワフワーっと読んでみてください。
イメージが大事です。
1.ビリヤードのポジションプレー
ポケットビリヤードはほとんどのゲームで的玉をポケットしないと続けて次の玉にチャレンジできないルールになっています。
もっとも人気のあるナインボールも途中の的玉はいくら入れても最後の9番にたどり着けなれば負けてしまうわけです。
このルールで唯一相手に何もさせずに勝ち切る方法は続けてゲームボールまでを入れ続けることです。
相手は撞けないわけですから、もっとも安全な勝ち方であることは間違いない事実です。
ところが、手玉の止まる位置を考えずに撞き続けますと、ほぼ乱数的にテーブルのどこに手玉が残るかわからなくなっていきます。
無秩序に並べた配置の手玉と的玉はかなりの確率でポケットするのが難しい配置になります。
例えば1個の玉を入れられる確率が50%だとすると、2個続けて入れられる確率は25%、3個になると12.5%、4個になると6.25%…9個になると計算機が要ります。(笑)
9個続けて入れられる確率はたったの0.1953125%です。
50%のショットを続けていたのでは相手に確実に勝つことはほぼ不可能ということです。
少し乱暴な言い方でしたが、こうした確率で考えたとき確実に取り切るためには90%のショットでも9回続ければ、40%以下になってしまうという事実をまずは知ることです。
そこでこのワンショットワンショットの確率をあげるために自分にとってもっとも有利な位置に手玉を残すポジションプレーが必要になってくるのです。
2.ピンポイントのネキは所詮無理
ビリヤードの上級者で機械のように正確な力加減を持っているプロでさえ、1m離れた直径10cmの円の中に次の手玉を止めろと言われたら10回に1回も成功しないでしょう。
まして、初心者の方にとって力加減をcm刻みでコントロールすることなど不可能なのです。
まずは、この事実をしっかり頭に入れて、「自分は必ずミスをする」という前提でポジションを考えることが大切になてきます。
3.ゾーンで考える
ポジションを考えるときにピンポイントで次の場所を狙うのは非常に確率の悪い狙い方で現実味を欠いています。
「自分は必ずミスをする」ということを前提に、「ここからここまでの中には手玉を運べそうかな」とある程度広いゾーンでネキを考えることが確率を上げるヒントになります。
まず、この的玉を入れるためには「ここからここまでの範囲に手玉を置きたい」というゾーンをイメージします。
ある程度大きな楕円形でその範囲をイメージしてみましょう。
そしてその範囲の中に手玉が止まるようにポジションを考えるクセをつけましょう。
4.ラインで考える
さきほど考えたゾーンは楕円形でしたが、楕円形は大概の場合、縦横のどちらかが細長くなります。
この細長くなった楕円形の中に手玉を止めることを考えたとき、どのようにすると確率があがるでしょうか?
そうです。
できるだけ長い距離を通るようにネキを考えれば、そのゾーンに止まりやすくなります。
最後に転がってそのゾーンに入って止まるまでのラインをゾーンの長いほうに沿うようにできればそのゾーンに止まる確率があがるのです。
このゾーンに沿ったラインを考えるポジションの考え方を「ライン出し」「ライン取り」という呼び方をします。
ゾーンをできるだけ長く通るラインでネキを考えられるときは、そのように狙うのが鉄則です。
5.クッションはネキを収束させる
クッションに手玉を入れる回数は意外にイメージがつきやすいことをまず体感して知ってください。
バンキングと呼ばれる長クッション沿いに手玉を1往復させる力加減を何度か撞いて感覚を覚えます。
今度はバンキングを撞いた位置から片道(バンキングの半分)いくだけの加減を覚えます。
これもすぐに覚えられると思います。
次に、1往復半、2往復、2往復半の感覚をつかんでいきます。
クッションに入る回数で、玉のスピードが減速していく割合が決まるために、思ったよりこうした感覚をつかむのは簡単です。
6.強すぎ弱すぎは難しい
ポジションを考えるとき、強すぎるショットや弱すぎるショットは非常に難易度が上がります。
ですので、弱すぎると思えばクッションを使って少し長めに手玉を動かしたり、強すぎると思ったときにはキックショットなど別の取り方がないか考えたほうがよいこともあります。
7.フリが大事
真っ直ぐの玉は、手玉を走らせるコースを飛球線上から変えることができないので、ポジションを考える上ではやってはいけないショットのひとつです。
臨機応変に真っ直ぐがどうしても必要なときもありますが、概ねフリがあったほうが選択肢が増えるのでその後の変化に対応しやすいことが多いと覚えておいてください。
8.フォローワンクッションを基本にしたネキ
手玉のスピードと、手玉が前進回転する回転速度が完全に一致したショットを完全回転といいますが、もっともナチュラルに手玉が転がるため、もっともコントロールもしやすいショットのひとつといって過言ではないです。
そして、玉を入れた後手玉を1回クッションさせてレールから離して手玉を止めるようなネキの仕方を習慣付けましょう。
近いクッションにワンクッションさえてレールから離して止める。
とくに何も制限がない場合にはこの考えでネキを考えましょう。
9.玉なりの玉を悩みすぎない
先ほど書いた近いクッションにワンクッションさえてレールから離して止める取り方だけで、自然と最後まで取りけれてしまうような絶好の形がときどき回ってきます。
この配置を「玉なり」といいます。
ネキにあまり神経質になり過ぎると、こうした玉なりの配置にも気を使い過ぎて、簡単な玉を難しく考えてしまうあまりシュート力がおろそかになって失敗することがよくあります。
玉なりと思えばネキは適当でシュート力に集中して撞くようにしましょう。
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