ビリヤードのフォームを固めていくためのいちばんの基礎となるスタンスについてよくあるスタイルを紹介しながらまとめてみます。
そのスタイルが正解ということではありませんので、自分に合ったスタイルを見つけるための参考にしてもらえればうれしいです。
1.言葉の定義
言葉での説明は煩雑になると思いますので、いくつか説明に使う言葉を定義しておきます。
1.飛球線
撞いた手玉が転がっていく時にできる玉の中心の軌跡をラッシャの上に投影した線。
手玉が転がっていく線です。
Flying Line=FLと表記することにします。
2.キューの線
キューを構えたときにキュー自体を直線とみなして前後に延長した線をラッシャの上に投影した線。
キューの向きがこの線で決まります。
Cue Line=CLと表記することにします。
3.スタンス幅
右足の裏と左足の裏の距離。
スタンス幅を広くとれば腰の位置が下がりますし、狭くとれば腰の位置は下がります。
Stance Wideth=SWと表記することにします。
2.スタイルに共通の基本
スタンスを決める最終の目的は「CLをFLにあわせる」ことにあります。
キューがまっすぐ動いて手玉の真ん中を撞いたとき、必然的に手玉はCLと同じ線上を転がります。
手玉が転がっていく線がFLなので、CL=FLとなります。
狙った地点に手玉を転がして運ぶためにはこのCL=FLが同じである必要があります。
したがってスタンスは、このCL=FLを実現するために違和感のない自然な形を目指して探っていくことになります。
重たいものを前方に押していくことを想像してみてください。
例えばビリヤード場にある道具ですと、テーブルを前方に押していくようなものです。
力を加える方向(CL)、動かしたい方向(FL)となりますが、このときあなたならどんなスタンスを作ると一番踏ん張りがきいてロスなく力を伝えられると考えますか?
軸足となる利き足はCLとFL上に乗っている必要がありますよね?
ビリヤードにおいても、踏ん張りがきいてロスなく力を伝えることが大切なので共通な考え方として軸足がCLとFL上に乗っていることが大事です。
微妙な軸足の位置は、土踏まずのあたり、つま先のあたり、かかとのあたり、など体の重心の位置により人それぞれ好みがあります。
軸足のつま先の向きも位置と同様に人それぞれ好みがあります。
しっくりくる場所や向きを試行錯誤で見つけていきます。
詳しい自分のタイプを知りたい方は、廣戸 聡一さんの著書「4スタンス理論」などを一読されてみてはいかがでしょうか。
1.スタンダードスタンス
一番オーソドックスなタイプのスタンスの取り方です。
軸足以外の足をCLに対して45度ぐらいに開くぐらいです。
FLに対して半身の状態になるように構えることで前後、左右の重心の動きを均等に感じることのできるスタンスと言って良いかと思います。
2.オープンスタンス
スタンダードなスタンスに比べて、軸足以外の足をCLに対してSWが45度よりも開いたスタンスがオープンスタンスです。
比較的下半身がゆったり楽に構えることができてリラックス感があるかと思います。
足を左右に開き気味に構えますので左右への揺れを防ぐのには効果的と言えます。
また、下半身がFLに対して正対しますので、FLを下半身と垂直で体の正面と感じやすいのもこのスタンスの特長です。
一方で下半身は左右、上半身の左右の肩の位置は前後ということになりますので、体のネジレは大きくなりやや窮屈になるかもしれません。
3.クローズスタンス
スタンダードなスタンスに比べて、軸足以外の足をCLに対してSWが45度よりも閉じたスタンスがクローズスタンスです。
SWが前後に開くようになりますので、左の腰と右の腰を結ぶラインがFLの線上に近づいていきます。
上半身と下半身のネジレは少ないので、体全体でFLを感じやすいのがこのスタンスの特長です。
オープンスタンスに比べて必然的に左右の揺れに弱くなります。
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