フラダンスには長く踊られているスタンダードな名曲がたくさんあります。
その中でも代表的な曲の歌詞と和訳、曲の舞台や背景などを紹介します。
今回は、1916年頃に発表されたフラダンスの超スタンダードな名曲「カイマナヒラ」を紹介します。
近代的ハワイ音楽の父と呼ばれる、チャールズ・キングの作曲です。
1.Kaimana Hila
Iwaho makou i ka po nei 昨夜はみんなでお出かけ
`Ike i ka nani Kaimana Hila 美しいダイヤモンドヘッドを見に
Kaimana Hila kau mai i luna ダイヤモンドヘッド、高くそびえている
Iwaho makou i Waikiki `ea みんなでワイキキへお出かけ
`Ike i ka nani papa he`e nalu かっこいいサーフィンを見に
Papa he`e nalu he`ehe`e malie サーフボードが滑らかに波をすべる
Iwaho makou i Kapi`olani Paka みんなでカピオラニ公園へお出かけ
`Ike i ka nani lina poepoe 素敵な競馬場を見に
Lina poepoe ho`oluhi kino 競馬場で体はくたくた
Ha`ina `ia mai ana ka puana お話を伝えます
`Ike i ka nani Kaimana Hila 美しいダイヤモンドヘッドを見たことを
Kaimana Hila kau mai i luna ダイヤモンドヘッド、高くそびえている
2.カイマナヒラとは
カイマナヒラとは、歌詞にも出てくる通りハワイで一番有名だと思われる山『ダイヤモンドヘッド』のことです・
ダイヤモンドヘッドはオアフ島のワイキキビーチを見下ろす標高232mの山です。
約30万年前に火山の噴火でできた外輪山です。
ハワイの先住民は「マグロの額」という意味のハワイ語「レアヒ」と呼んでいました。
19世紀にイギリスの水夫たちがこの山を登り、火口付近で見た方解石(ガラス状の鉱物)の輝きをダイヤモンドと勘違いしてダイヤモンドヘッドと呼び、それをハワイ語読みしたのがカイマナヒラです。
20世紀には、オアフ島の沿岸防衛のために連邦政府に買い上げられ、1943年まで大砲の砲台などが設置され軍事要塞になりましたが、一度も利用されず現在に至っています。
現在は約1kmを往復1時間から2時間で歩くハイキングコースがあり、観光客に人気のスポットになっています。
3.カイマナヒラの振り付け
カイマナヒラという山を歌っている曲なので、山を表現する振りが出てきます。
例えば、両手を左腰の前あたりから右斜め上に上げていく、又は両手を伸ばして下から斜め上までぐるっと回すなど、山の高さを表現する形が多いようです。
またプイリという竹で出来た楽器を鳴らしながら踊ることもよくあります。
割と簡単な振付をされていることが多いようで、初級の方が最初に教わる曲としては最適です。
4.まとめ
先住民がレアヒと呼んだカイマナヒラ。
レ、は額、アヒ、はマグロの意味があり、レアヒでマグロの額です。
一説には、火の女神ペレの妹ヒイアカが、マグロの額のような形をした山頂を見て、レアヒと名付けたと言われています。
また他の説ではレアヒは火の岬という意味で、島の沿岸を通るカヌーを導くために山頂にともされたかがり火を指すものだとも言われます。
ハワイの人々は、山のふもとから吹き上げてくる風によって大切な火が消えないように、山頂にあったと言われるヘイアウ(礼拝の場所)で風の神に祈りを捧げたそうです。
ハワイにはカイマナヒラのように、自然を称え慈しむ歌が多くあります。
カヒコのオリでは当たり前のことなのですが、現代になって作られた歌にもそういう傾向が強いのです。
ハワイの人々が自分たちの住む島々を愛する気持ちがとても強いことが分かります。
長く愛されている名曲を踊ることは、フラダンスを学ぶ上でとてもいい経験になります。
そして、曲の背景を学ぶことも大切な経験の一つですので、この機会に教わった曲について自分なりに調べてみるのもいいかと思います。
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