格闘技雑誌などのメディアや格闘技系のコミックなどでは足技最強の格闘技として取り上げられることが多いテコンドー。
なぜ足技最強と名高く、今も人気なのでしょうか。
1.テコンドーが足技最強といわれる理由
テコンドーがなぜ足技において最強と名高いのでしょうか。
何といっても足技の種類の豊富さ。さらに見た目が派手で美しい技が他の格闘技よりも発達しているからでしょう。
それにはテコンドーの試合体系が大きく関係しています。
1. 上中段しかない試合体系が技術の集約を生んだから
テコンドーは別名、「足技のボクシング」とも呼ばれていますが、これはテコンドーの足技が最強と名高い理由について非常に重要な概念を表しています。
ボクシングは2つの拳のみで相手の上段と中段、つまり相手の顔面とボディだけを狙って攻防を行います。テコンドーも狙う部位は同じです。下段攻撃が厳しく制限されたため、間合いを大きく保つスタイルが大きな特徴となりました。
特に顔面へのパンチが禁止されているWTFではその特徴が顕著に表れ、攻防の9割が蹴り技です。
テコンドーの試合において顔面へのパンチも下段攻撃も、投げも関節技もありません。しかし、技の幅が制限されるとその分、技術は集約されることになります。
さらにテコンドーは下段攻撃がない分、間合いを大きくとるスタンスになります。その証拠に下段廻し蹴りのある空手やキックボクシングでは比較的間合いが近いですよね。もちろん両者ともパンチが多用されるからだというのもありますが、下段攻撃は接近戦で猛威を振るいますので下段がないということは必然的に間合いが遠くなるのです。
テコンドーの打点の高い美しい足技は上段と中段のみが攻撃対象という厳しい制約が生んだ技術の研鑽といえるでしょう。
2.ポイント制なので威力に左右されず技の自由度が高い
テコンドーが足技最強と名高いもう1つの特性としてポイントによる勝敗を決めるポイント制であるため飛び蹴りや回転系の蹴りの使用頻度が非常に高いことがあげられます。
特に飛び蹴りや回転系の蹴りは他の格闘技よりも目立ちますよね。ここではテコンドーの大きな特徴である飛び蹴りや回転系の蹴りについて解説します。
1.飛び蹴りと回転系の蹴りに高いポイントを設けているから
テコンドーは他の格闘技では大技と呼ばれる後ろ廻し蹴りや飛び蹴りが試合の中で当たり前のように飛び出します。これにはれっきとした理由がありまして、「飛んでからの蹴りや回転してからの蹴りにはボーナスポイントが加算されるから」です。
当てるのが難しい蹴りに高いポイントを設けることで、技の使用頻度が上がるだけではありません。当てるのが難しい技をいかに動き回る相手に当てるかという技術面にスポットを当てることになるため、回転技が試合に使えるようにどんどん発達していくのです。
技というものは不思議なもので、使えば使うほど研ぎ澄まされていくのです。先人が試行錯誤の末に当てるのが難しい技をいかに当てるかと考え抜いた結果、他の格闘技の追随を許さないほど飛び蹴りや回転系の蹴りの発達が進んだといえるでしょう。
また、飛び蹴りや回転系の蹴りは小柄なアジア人でも勝てるチャンスが与えられるようにという意味合いもあります。体格差を覆すための切り札になるのです。
回転や跳躍によるエネルギーが加わるので通常の蹴り技よりもはるかに威力が高まります。そのためテコンドーが最強と呼ばれる所以につながるのです。
以上がテコンドーが足技最強と呼ばれる理由です。厳しいルールによって研鑽された打点の高いスピーディな蹴りと、飛び蹴りや回転系の蹴りに重きが置かれ他の格闘技よりも技のバリエーションが増えたからだといえるでしょう。ご清聴ありがとうございました。
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