馬と仲良くなって馬に気分よく乗せてもらうには、馬の習性をよく理解することが欠かせません。
馬についてよく知り、人馬一体となって安全に乗馬を楽しめるようになりましょう。
1.馬の性格
基本的に馬は穏やかで、人に従順です。
しかし草食動物ならでは習性があるため、とても臆病で神経質です。
でも人によってそれぞれ性格が違うのと同じで、馬にも性格があり個体差があります。
人の感情にも敏感なため、乗馬の際乗り手が不安や恐怖を感じている場合は馬にも通じていると思われます。
この時の馬の反応にも個体差があり、「初心者が乗ってるな。じゃあそっと動こう」と気を遣ってくれるベテラン馬もいれば、一緒になって不安になり集中できなかったり、露骨に「初心者お断り」の意思表示を示す馬もいます。
こうした人間っぽい豊富な感情が馬の魅力の一つでもあります。
2.馬の気持ちのサイン
馬は体全体を使って気持ちを表現します。
嬉しい時には耳を元気にピンと立て、尻尾を上下にリズムよく振ります。
そして群れる習性があるため人によく甘え、その時には自分の顔や鼻をそっと人に擦りつけてきます。
しかし、そっとではなく激しく擦りつけてくるときには、痒い所を掻いているようです。
その部分を手で掻いてあげると目を細めて気持ち良さそうな顔をします。
耳を後ろに倒したら怒っている時なので、あまり近づかずに様子を見るようにしましょう。
前足で地面を掻く前掻きと呼ばれる行動は、お腹が空いたときや他の馬が美味しいものをもらっているのを見て「私にもちょうだい」とアピールする時にみられます。
トモの片方を軽く上げ3本脚で立っている時にはリラックスしているか眠たくなっている時です。
馬はにおいに非常に敏感なので、不思議な臭い、特に少し酸っぱいにおいがした時にフレーメンと呼ばれる反応をします。
唇をまくって歯をむき出しにしている表情です。
中には笑っている顔と表現する人がいますが、これは嬉しかったり楽しかったりしたときの顔ではなく、「うわっ、なんだコレ?」というぐらいでしょう。
3.注意する点
前掻きの力が強く、自分のお腹をのぞき込むようにしている場合は腹痛をうったえている場合があります。
馬の体は構造上腸捻転を起こしやすく、処置が遅れるとあっけなく死んでしまうことがあります。
目の上をくぼませて困ったような顔で前掻きをする時には、腹痛を起こしている可能性がさらに強いので、耳を腹に当てるか聴診器を使って腸の動きを確認しましょう。
馬の視野は広く350度見ることができると言われています。
しかし、馬の真後ろは死角となり、もともと臆病な馬からすると大きな弱点となるところです。
そのため、馬が認知していない時に急に後ろを通ったり尻尾に触ったりするととても驚き、反射的に蹴り上げることがあります。
馬の後ろに回る時には馬にそのことを伝えながら行うのが乗馬の、そして馬へのマナーと言えるでしょう。
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