乗馬の世界では、日常あまり使われない専門用語が多くあります。
インストラクターの指示を聞いたり、乗馬関係の本を読んだりするときに馬体の名称について知っておくと便利です。
1.基本的な馬体の名称
顔や首の部位の名称は他の動物とほとんど変わりません。
しかし、奇蹄目である馬は足の部位の名称に特徴があります。
また、馬体の中でも特に足に怪我が起こりやすいので、それぞれの部位を何と呼ぶのか知っておくと対処しやすくなります。
まずウラ掘りの時によく聞くのが「蹄」や「蹄冠」「蹄叉」という言葉だと思います。
「蹄」は誰でも知っている馬の足先の固い爪の部分です。
そして「蹄冠」は蹄の生え際のこと、「蹄叉」は蹄の裏側にある三角形の柔らかい部分のことです。
蹄油を塗る時にはこの蹄冠と蹄叉に油が付かないように気をつけましょう。
蹄冠の上の細くくびれている部分を「つなぎ」と言い、その上の関節を「球節」と呼びます。
足の故障はこの部分に多く起こりやすいので、手入れの時には念入りに観察し腫れや熱感がないかをチェックしましょう。
そしてその上の部分から次の関節までのプロテクターをつける部分を管(かん)と呼びます。
その上の関節が前肢では前ひざ、後肢では飛節と言います。
ちなみに後肢のひざは、腹から後肢に移行するあたりにあるので間違えないようにしましょう。
管や飛節も炎症を起こしやすい部位なので手で触ってみて熱っぽくないか確かめます。
さらに、馬が怪我をしやすい部位にき甲があります。
き甲とは、馬体の首から背に移る途中にある飛び出た部分のことです。
ゼッケンの当て方が悪かったり、体に合わない鞍を使ったりして乗馬をするとこの部分が擦れて毛が抜けたり、もっと悪ければ擦り傷になることがあるので注意しましょう。
そして、馬特有の部位に「夜目」というものがあります。
前ひざと飛節の内側にあるかさぶたのように見えるもののことです。
馬の脚は構造上、人の手の中指一本からなっているので、ちょうど親指に該当するのが「夜目」なのではないかと言われています。
一頭ずつ形や大きさが違うので、見比べてみると面白いかもしれません。
2.馬の体格の測り方
馬の体高は?と聞かれてると、どこまでの高さのことを指すのだろうと疑問に思うことでしょう。
頭は上下に動くので、高さも変動します。
そのため、馬の体高とはき甲の一番高いところから地面までの高さを指し、頭の高さは含みません。
また、鞍や腹帯を選ぶ時に重要になるのが胸囲です。
この胸囲は、ちょうど腹帯をつけるところの太さ、と考えて問題ありません。
呼吸によって太さが変化する時には平均値を胸囲とします。
馬に乗るだけが乗馬ではありません。
少しずつ馬についての知識を増やしていくようにしましょう。
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