無口(むくち)頭絡は、ハミのついていない頭絡で、馬を手入れする時や、ひき馬をする時に装着します。
乗馬をする時には使いません。
乗馬クラブの馬も、競馬場の馬も、牧場の馬でも、みんな無口は使います。
犬や猫が着けている首輪の役割をするのが、無口です。
手入れをする時に濡れても大丈夫なように、素材はナイロン製のものが殆どです。
1.無口はどんな時に使うのか
まず、馬を馬房から出す時も無口が付いていなければ馬を出す事が出来ません。
乗馬クラブによっては、馬房内でも馬を扱いやすいように無口は着けたままにしているところが多いと思います。
しかし、練習が終わって、洗い場に馬を入れ、馬装を解くときは、ハミの付いた頭絡をはずし無口に付け替えます。
ハミのついた頭絡は皮革製ですので濡らすとよくありません。
乗馬の練習後の馬の手入れは、必ず無口に付け替えてから行いましょう。
それ以外にも、馬を放牧場へ移動する時や、ひき馬と言って体調不良で休んでいたり、リハビリ中の馬を散歩させる時にも無口に引き手という引き綱をつけて行います。
2.無口はどんな形ですか?
殆どの無口は、濡れても大丈夫で、汚れたら洗濯が出来るように厚めのナイロンで出来ています。
ナイロン製なので、耐久性は余りありませんので、擦り切れたりしたら安全性の為にも新しいものに替えましょう。
色も赤、緑、青をはじめ、黄色、黒、茶色等シックな色合いのものもあります。
形は、ハミと手綱の付いていない頭絡だと思ってください。
無口の各部分の名称は頭絡と同じです。
顎革を留めるフックが左側にあります。
引き手や、調馬索を装着する為の金具は、鼻革の左右にあります。
3.無口の装着の仕方
馬房内で馬の無口を装着する時は、馬が暴れたりしないか確認をしましょう。
馬の左側に行き、前を向いて馬の隣に立ちます。
無口は右手で持ち、左手で馬の鼻先を軽く押さえ、軽く下に引き頭を下げるように誘導しましょう。
たいていの乗馬クラブの馬などは、人間が鼻先を抑えたら、頭を下げてくれるように調教していますが、中には頭を振ったり、あげる馬もいますので気は抜かないようにしましょう。
馬が頭を下げてくれたら、無口を鼻革から馬の顔に通していき、項革を耳の後ろに掛け、顎革のフックを止めたら装着完了です。
無口にもサイズがあり、ぎゅうぎゅうにきつくないか確認しましょう。
鼻革や顎革、項革の部分に指が2本ぐらい入るスペースがあればよいです。
指も入らないぐらいきつかったり、ぶかぶかの場合は危ないので、馬の顔のサイズに合った物に替えましょう。
乗馬練習後、洗い場で頭絡から無口に付け替える場合は、馬の脱走防止の為に、無口に付け替え引き手を結び、馬を保定するまでは、必ず、手綱に自分の右腕を通しておきましょう。
そうすれば、馬が少し動いても手綱をつかんで止めることが出来るからです。
頭絡を外す時も、馬の左側に立ち、項革から外します。
外した頭絡は自分の左腕に通して持っておけば良いでしょう。
頭絡を外しても、首にある手綱はまだ外さないように。
あとは、馬房内で無口を装着するのと同じように、左手で鼻を押さえて頭を下げさせ、装着してください。
装着が出来たら、引き手を無口に繋ぎます。
無口に引き手を繋いでから、首にかかっている手綱を外してから、洗い場に馬を繋ぎましょう。
まず始めは、周囲の方がやっているのを見て、出来そうだったら先輩やインストラクターの監督のもとで、無口の装着にもトライされてみてください。
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