競馬の騎手が馬に活を入れるときに、鞭を入れているのを見た事ある人は多いと思います。
もちろん、乗馬でも鞭は使います。
乗馬用の鞭は何種類かありますが、騎乗中に使用するものは、短鞭と長鞭ですが、初心者の方が使うものは短鞭が多いと思います。
今回は、短鞭の正しい使い方について説明したいと思います。
1.乗馬用の短鞭の種類
短鞭(たんべん)とは言っても、いくつか種類があります。
長さも、50cm~75cmぐらいです。
障碍飛越競技で使える短鞭も75cmまでです。
色々で中心の芯の部分はカーボンですが、表面は革製、合成皮革製等色々あります。
先端のフラップといわれる部分は、馬体に鞭を入れたときに音が出るように付いているものですが、その形状も三角形や長方形があり、素材も皮革製、合成皮革製とあります。
持手部分はグリップというのですが、グリップの太さも、素材も色々とあります。
手綱と一緒に持つものなので、自分の手になじみやすく収まりの良いものを選びましょう。
初心者の方は、鞭の落下を防止する為に、グリップにループが付いているものが良いかと思います。
2.短鞭の持ち方
短鞭は、乗馬の練習中と障碍飛越競技に使用する副扶助で、基本的に馬の肩に対して使うものです。
短鞭は、手綱と一緒に持ち、使わないときは自分の太腿の横に短鞭がくるような感じで持ち、使用する時は馬の肩に使います。
その時に気をつけて頂きたいのが、短鞭は基本的に内側に持つということです。
馬が、右手前で歩いているのであれば、右側に、左手前で歩いていれば左側に持つようにしてください。
ですので、手前が変わる度に持ち替える必要があります。
しかし、例えば、乗馬中左手前で歩いている時に馬の右肩が外に膨らみすぎてしまうというような場合は、馬に注意を促す意味もこめて、短鞭を右側に持っても良いです。
3.短鞭の使い方と注意点
ここで、覚えておいて頂きたいのは、短鞭は決して馬を発進させたり、速歩から駈歩へ移行させたりする為の道具ではないという事です。
馬を前へ出し、歩かせたり走らせる扶助の第一選択はやはり脚です。
短鞭は、馬に注意を促したり、活を入れたりする為に使う物です。
馬によっては、乗り手が短鞭を使わなくとも、持っているだけで効果がある場合もあります。
確かに蹴っても中々前に出ない重い馬に活を入れるために短鞭を使う事はあります。
それでも、やはり脚の扶助が先です。
ただし、障碍飛越競技では、馬に活を入れるために馬が十分に走っていても、飛越前にも鞭を入れることもあります。
懲戒のために短鞭を使用することもありますが、決して良い事ではないです。
使い方を誤ったり、馬をがっちり抑える事が出来ない乗馬初心者が懲戒目的で短鞭を使った場合、馬が暴走する危険もありますので、短鞭を持って乗馬するか否かは、まずはインストラクターの指示に従ってください。
短鞭は、通常は騎乗するときに持ちますが、馬によっては鞭を怖がり、乗り手を乗せてくれない馬も居ます。
そのような場合は、騎乗してから周囲の方にそっと馬に気づかれないように短鞭を手渡ししてもらってください。
あと、乗馬中に馬が短鞭を持っているだけでも過度に反応したりし短鞭が不要になった場合は、「鞭落とします」と声をかけ、近くに居る方に拾ってもらってください。
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