ボルダリングは自分の体一つで登っていくスポーツです。
道具を使わずに登っていくので、体の状態次第でパフォーマンスはガラリと変わることになります。
まだ登り始めたばかりの人にとって、予期せぬ怪我に気を付ける必要があります。
今回は「ボルダリング初心者が負いがちな怪我とその予防法」です。
1. 指の怪我は誰にでも起こる
4、5メートルの壁を身体一つで登っていくという、ボルダリングの特性を考えると、どうしても避けられない怪我や不調は、“指”に出てきます。
ホールドによっては、指2本以下で保持するようなものもありますので、そんなムーブをする時は、大きな負担が指にかかってきます。
これは初心者だけではなく、中上級者にとっても常に注意を払っておく必要があります。
特に初心者の人は、まだ保持力が弱い分ホールドを必要以上に深く握りこむ傾向があります。
深く握ると、指の第二関節から付け根にかけてに負荷がかかってくるので、初心者の人はこの部分をケアしてあげなくてはいけません。
登る際は、指がしっかりかかりやすいガバホールドでも、なるべく浅く持つ癖をつけていきましょう。
その上で、腱鞘炎などの重症になる前の予防法として、テーピングをつけることが効果的となります。
指の第一、第二関節の下部分に巻き付けてあげることで、ホールドと指の間に一枚クッションとしての役割を果たしてくれます。
登る前後のウォーミングアップとクールダウンをしっかりやることも重要ですし、アップ後もいきなり限界グレードの課題は登らず、簡単な課題を数本登って身体を温めることを癖づけていきましょう。
2. マットの周りは安全エリアではない
初心者の人にとって、指の怪我と同様に注意すべきなのが、“マット周辺”です。
登っている人にとって、「マットがあるから、落ちても安心だ」と思う人もいるでしょうが、着地の仕方を誤ると、マットの上とはいえ大怪我を引き起こします。
着地の基本は、両足で膝のクッションを使い、さらに後ろへ背中でごろんとなるように倒れましょう。
片足での着地、両足でも膝を使っていない、手からマットにつく、こういったことをすると最悪は捻挫、骨折ということもあり得ます(実際、筆者の周りでも複雑骨折した人がいます)。
そして、マットの上で見ている人も危険を伴います。
よく初心者同士で、登っている人の真下まで来て、教えてあげている光景を目にしますが、「教えてあげる必要がある=いつ落ちてくるかわからない」ということですから、不意に数メートル上から降ってきた人間に当たったらどうなるか? 考えただけで危険なのはわかりますよね?
さらに、こういう人たちは、目の前のことしか見えておらず、隣の壁で登っている人のことは気にしていません。
トラバースのように横移動の課題だと、壁と壁を横断することもありますから、ここでも落下の際の危険が生まれます。
基本的に見ている人は、マットから降りるのがマナーですから、これをしっかり守って怪我などのトラブルをあらかじめ回避できるようにしていきましょう。
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