「効率的に脂肪を燃焼させるには筋トレの後に、有酸素運動を行うべきだ」
これはトレーニング業界で一種の定説のように言われ続けている言葉です。
しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。
今回は有酸素運動と筋トレの組み合わせ方について解説します。
1.筋トレ→有酸素運動のメリット
先に筋トレを行い、その後に有酸素運動を行うメリットについては以下のようなことが考えられます。
運動の主なエネルギー源となるのはATP(アデノシン三リン酸)という物質ですが、このATPの材料となるのが、筋肉の中に蓄えられている「グリコーゲン」です。
筋トレを十分に行うと、このグリコーゲンが使い果たされ枯渇した状態になります。
グリコーゲンが枯渇した状態で有酸素運動を開始すると、身体は体脂肪を分解してエネルギーを確保しようとします。
つまり、筋トレでグリコーゲンを使い果たした状態で有酸素運動を行うことで、有酸素運動中の脂肪燃焼効率を高めることが期待できるのです。
2.有酸素運動→筋トレのメリット
筋トレなどの激しい運動を行なうことによりEPOC(運動後余剰酸素消費量)が大きく増加します。
EPOC(運動後余剰酸素消費量)とは激しい運動による身体へのダメージを回復するために、通常時よりも多くのエネルギーが消費される現象のことです。
このEPOCは有酸素運動よりも筋トレなどの激しい運動を行なった時の方が大きくなります。
つまり、有酸素運動→筋トレの順番で行うことにより、運動後もしばらくは勝手に余分なエネルギーを消費してくれるのです。
しかし、筋トレ→有酸素運動の順番で行うと、EPOCの時間と有酸素運動の時間が被ってしまうため、「効率」という観点からするとあまり良くありません。
3.どちらを先に行うべきか
結論としましては、筋肥大をしたいと思うのであれば「筋トレ→有酸素運動」、とにかくダイエットだけを考えているのなら「有酸素運動→筋トレ」というのが私の見解になります。
筋肥大を狙う場合、筋トレでの使用重量が非常に重要になってきます。
先に有酸素運動を行なってしまうと、そこである程度のエネルギーが使われ、筋トレで力を存分に発揮できなくなってしまいます。
そのため、使用重量が肝要となる筋肥大を狙う場合は「筋トレ→有酸素運動」の順番で行うようにした方が良さそうです。
一方、ダイエットが目的の場合、やはりEPOCは無視できません。
個人的にはどちらを先にやろうと運動自体の消費エネルギーに大差はないと感じております。
そのため、ダイエットが目的の場合は、少しでも消費エネルギー量を多くするために、EPOCのメリットをフル活用すべきでしょう。
ですので、ダイエットしたい場合は「有酸素運動→筋トレ」の順で行うようにしましょう。
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