古典的なクラッシックバレエには、一番美しい表現になるよう、研究された基本の形が決まっています。
どんな動きをする上でも必要になってくる足のポジションについて、解説していきます。
1.クラシックバレエの足のポジションについて
クラシックバレエの足のポジションは1番から5番までの5つのポジションと、正式ではありませんが6番まで番号で形が表現されています。
各ポジションの形を説明していきます。
1番:左右のかかとをつけて股関節から足を開きます。出来るだけ外側に向けます。
両足が外側に開き一直線(180度)となり、両膝と内腿が密着し、隙間が無い(向こう側が見えない)状態が理想です。
この時、両足とも等しい角度で開かなければなりません。
お尻・太ももの内側・膝の裏・ふくらはぎを両側から・均等な力で・密着させようとする感覚を意識すると、脚の付け根から外へアンディオール感覚が最もつかみやすいと思います。
多く見られる間違った使い方は、先に脚の最下部・かかと同士をくっつけて両足を外に開いて置き、その後脚全体を密着させることや、つま先だけを外側に向けて膝とつま先の向きがねじれてしまうことです。
これは怪我の原因にもなるので注意が必要です。
2番:1番のポジションから、かかとを肩幅と同じ位に開きます。
重心は両足に均等にかかっており、両脚と床のラインで二等辺三角形ができているポジションです。
両脚の間には空間があるものの、お尻・太ももの内側・膝の裏・ふくらはぎ』を、『両側から・均等な力で・密着させようとする意識が必要なことは、1番ポジションと変わりありません。
動きの中では、1番もしくは5番から、横にタンジュし、その足先があるあたりで足を床につけ(=ア・テール)2番ポジションをとることが基本の中では多くあります。
3番:1番のポジションから片足を前に出しかかとを反対の足の土踏まずにつけます。
足を半分クロスさせるのが3番ですが、実際、ほとんど登場することはありません。
後述しますが、前の足のかかとを後ろ足のつま先まできれいに重ねると5番ポジションになります。
4番:3番のポジションから片足を足の横幅1つ分くらいを前に出します。
足は5番ポジションを足の長さぶん位の感覚を空けて前後に広げ、正面から見たときに両足それぞれのかかととつま先のラインが同一線上になるのが4番ポジションです。
重心は前後の足の真ん中にあり、骨盤は前後左右にねじれることなく正面を向いていなければなりません。
お尻・内腿をより意識してターン・アウトし、お尻が出てしまわないように気を付けましょう。
踊りの中では、ピルエットの直前にとることが多い4番ポジション。骨盤・重心位置・アンディオールがしっかりとれていないと次の動きにまで影響してしまう、大切なポジションと言えます。
5番:1番のポジションから足をクロスして一番深いところまで交差させます。
両足それぞれのかかととつま先のラインが同一線上にくるまで脚を交差させたポジションです。
アンディオールがしっかりできていれば、上から見下ろすと両足は『=』のように平行になります。
4番と同様、骨盤は前後左右にねじれることなく正面を向いていなければなりません。また、膝が緩みがちなので、意識して伸ばすようにします。
6番:両足を揃えつま先を正面に向けて置きます。
身体を引き上げて足裏全体を使って立つこと、重心を真ん中に置くこと、上半身の使い方などは1~5番と同じですが、6番だけは脚をアンディオールさせず両ひざをまっすぐ前に向けて立ちます。
ですが、両足の間の隙間が無くなるようお尻や内腿を締めて密着させる意識は必要です。
両足を平行に置くことから『パラレル』と呼ばれることもあります。両足を開いた状態でつま先を前に向けて立つときなどにも使われる言葉ですので、覚えておきましょう。
主にバーレッスンの冒頭に、身体ならしで6番ポジションからスタートすることがあります。
2.足のポジションについてまとめ
5番なら5番に、1番なら1番に、その都度その都度きちんと戻っていなければならないのがクラシックバレエならではではないでしょうか。
1~5番ポジションについて考察してみると、どのポジションについても共通している点は『アンディオール』の感覚で形をとることでした。
外向きにアンディオールされた1~5番ポジションが取れて、はじめてクラシックバレエの動きにつながると言えます。
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