体を柔らかくしたいからと、やみくもに開脚や前屈をしてみたところで効果は実感しにくいもの。
どんなことに気をつけてストレッチをすればよいのか、バレエでのストレッチ方法を紹介します。
1.クラシックバレエの基本的ストレッチ
体が硬い状態とは、筋肉が硬くなって収縮したことから、関節の可動域が小さくなっている状態のことです。
原因のほとんどが運動不足と加齢です。筋肉は硬くなると伸びる動作ができにくくなるので、どんどん縮こまって硬くなり、関節の動きも制限されてしまいます。
そのため、運動前には特にストレッチでしっかりと筋肉を伸ばし、関節の可動域を広げることで、柔軟な体を作ることが怪我の予防のためにも必要になります。
筋肉は自力で伸びることがないため、意識的に伸ばさない限りは縮む一方で、どんどんと硬く衰えていきます。
ストレッチの効果を上げるために必要なのは、正しい姿勢です。たとえば背中が反り返っていたり、丸まったりした姿勢でストレッチをしても、肝心の筋肉や関節にはまったく効果がありません。
ただ体を曲げるという動作になるだけで、むしろ筋肉を縮めてしまうこともあります。体をまっすぐに正した姿勢で行なうのが基本です。
また、ゆっくりと呼吸しながら行うことも大切です。筋肉は無理に伸ばしすぎると硬くなってしまいます。
反動をつけて一瞬で筋肉を収縮させるのではなく、ゆっくりと呼吸吸って、吐いてを繰り返し、そのポーズを最短で15~20秒キープしていきます。
ピリッとした心地よい痛みがあることが、効果のあるストレッチになります。
2.具体的なストレッチ方法
体で特に硬くなりやすいのが、股関節まわり、腰と背中、そして肩です。正しい姿勢で関節をゆるめ、筋肉をストレッチしてみましょう。
1.股関節のストレッチ
1:床に座ったら膝を曲げて左右に広げ、両方の足裏と足裏をつけます。
2:呼吸をしながら、両膝を上下にバウンドさせて関節をほぐします。このとき、手を使ってゆっくりと押し下げます。
ポイント:背中が丸まると、お尻が落ちて腹筋が使えず、股関節がきちんとストレッチされません。背筋をまっすぐに伸ばし、お腹に力を入れて行います。
2.背中・上半身~下半身のストレッチ
1:足を伸ばして、まっすぐに座わります。
2:背中を頭の先から遠くに引っ張るように前に体を倒していき、手で足先をつかもうとします。
3:なるべく手の位置を変えないように、お腹に力を入れて背中をまっすぐに伸ばします。
4:次に、足を左右に開き、開脚をしていきます。
5:右、左、前と腕は遠くを通りながら、左右足先の方へ体を遠くに倒していきます。
前に行くときは両手を床について頭を付けるくらいまで下げていきます。
ポイント:必ず、座骨を床につけたまま行います。座骨が浮いたり、下がったりすると腹筋も背筋も使えなくなり、腰と背中がきちんと伸びないためです。
3.肩まわりのストレッチ
1:片手でタオルの端をつかんで、背中側に垂らします。
2:もう片手でタオルの下側を持ち、ゆっくりとタオルを引っ張ります。
3:反対の手に持ち替え、左右ともに行っていきます。
4:次に、両手でタオルを横に引っ張り、身体を左右にねじります。
ポイント:肩まわりの筋肉をほぐすストレッチです。
肩が上がってしまうと効果がありませんので、腹筋と背筋でしっかりと上半身を支え、両肩とも上がらないように気をつけて行いましょう。
このように、ストレッチを正しい姿勢できちんと行なえば筋肉や関節がほぐれて柔軟な体になるでしょう。
いずれもゆっくりと呼吸しながら、気持ちがよいと感じる秒数や回数から毎日続けてみましょう。
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