バレエで使う筋肉は、ほとんどが表に見えにくい筋肉です。インナーマッスルなどとも呼ばれ、美しい体のラインをつくるために欠かせないものです。
バレエで使う筋肉はどのようなものなのか、記述していきたいと思います。
1.バレエで使う筋肉について
バレエでは、腹筋・背筋・足裏・足の指・内腿の筋肉を必要とします。
これらの筋肉は、赤筋(遅筋)といって、スタミナを必要とし、長時間同じ姿勢を保つことに効果を発揮する筋肉で、表からは見えにくいです。
脂肪をエネルギー源とするため、この赤筋をしっかり使って鍛えることで、太りにくい体作りにも役立ちます。
これが、インナーマッスルを鍛えるべきとされる理由でもあります。
バレエでは「やわらかさ」と「しなやかさ」のある筋肉をつけることが理想的です。
強靭な筋力を持っているのに、バレエダンサーは決してムキムキな人はいません。
筋肉の付き方は個人差がありますが、みな女性らしい柔らかいボディラインを持っています。それは、体の内側に意識を持って日々トレーニングしているからです。
足のポジションひとつとっても、意識は内腿や膝の裏、足の裏にあります。
常におしりを小さく締め、足を外側に開くような意識で踊るので、表面から見た印象は女性らしいラインのままなのです。
太ももの外側やふくらはぎがたくましく発達してしまうと、バレエらしさがなくなってしまいます。バレエでは決して太ももやふくらはぎの筋肉はつけてはいけません。
これは、バレエで使う赤筋の反対の働きをする「白筋」が発達してしまった状態になるからです。
外側の筋肉は、短距離選手やスピードスケート選手などが使う筋肉で、瞬発力を発揮する部分になります。
2.正しいバレエの筋肉の付け方
バレエで使う筋肉の感覚をつかむのに必要なことは、アンディオールに集中することです。
アンディオールとは、骨盤を外側へ回転させて、内側を見せるように足を使うことです。
アンディオールができるようになると、バレエ特有の「開く足」ができるようになります。
バレエでは、かかとをしっかり内側から見せ、膝を横に向けるのが基本で6番(パラレル)の時以外は、膝が正面方向に向くことはありません。
これらが内腿の筋肉を使う動きになります。
内側の筋肉を意識する、という感覚をつかむには時間がかかるかもしれません。
簡単なトレーニング方法は、まず、仰向けの姿勢で両脚を上げ、ふくらはぎの位置でクロスさせます。両脚の上げる角度は、真上90度より少し下げた位置です。
そして、腹筋を使ってお腹を見るように上半身を起こしましょう。
通常の腹筋トレーニングとよく似ています。
勢いに任せて力で起き上がってしまうと、内側ではなく外側の表面の筋肉しかつかなくなってしまうので、お腹の内側の方を意識して行いましょう。
背筋は、うつぶせに寝た状態から、上体を起こします。
手を床から離し、アラスゴンドやアン・オーのポジションで数秒間キープします。
難しければ、低い位置でも効果はあります。
次に、足裏・指先のトレーニングです。
座って足を前に伸ばします。
1.フレックス(足首を曲げつま先を上に向ける)
2.ドゥミ(足首を伸ばした状態にして、指先だけ曲げる)
3.ポイント(つま先を遠くに伸ばす)
この1~3までの動作を繰り返して、足首や指先を曲げ伸ばしましょう。
最後に内腿のトレーニングです。
椅子に両脚をそろえて座り、膝の間にボールを挟みます。ボールを両膝で内側に押すように、何度も負荷をかけます。
負荷をかけたとき、太ももの筋肉を触って確かめてみてください。
外側の筋肉は柔らかく、内側の筋肉が硬く活発化していることが分かります。
これはバレエの筋力トレーニングだけではなく、美脚エクササイズとしても効果を発揮します。
効果的に内側の筋肉をつけて、バレエが踊れる体作りを目指しましょう。
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