クラシックバレエの舞台を観終わり、最後に全員でお辞儀をする場面を見たことがあるかと思います。
言葉のないバレエの世界では、舞台の時だけではなく、通常のレッスンでも大切にされているのがお辞儀であるレヴェランスです。
1.バレエにおけるレヴェランスの意味
レヴェランス(Reverence) は「崇敬、尊敬」という意味です。
バレエ用語で尊敬、敬意を表すため、バレエの上演後、カーテンコールなどでダンサーたちが膝を曲げて行なうおじぎを言います。
古くは頭を下げて観客への感謝の意を表していたが,1886年サンクトペテルブルグのマリインスキー劇場でバレリーナが膝を曲げ、上半身を前に傾けて丁寧におじぎをしたのが最初といわれ、それ以来慣習となったと言われています。
レヴェランスは、通常レッスンでは、バレエ教師に対して、そしてピアニストに対して行います。
バレエを教えてくれた教師に対する崇敬、そしてピアノを弾いてくれたピアニストに対する崇敬で、レッスンの最初と最後、に行います。
レッスンの最初に行うレヴェランスは、これからよろしくお願いいたします、という挨拶の意味も込められています。
また、舞台で踊り終わった後に行うお辞儀もレヴェランスで、こちらは観客に対する崇敬のためのものです。
レヴェランスはとても優雅に、そして心を込めて行うことが大事です。美しく優雅なレヴェランスのための大事な要素をお話したいと思います。
2.レヴェランスの種類
レッスンスタジオでのレヴェランス、舞台でのレヴェランス、それぞれ性質が違いますから行い方も違います。
まず、子どもたちの行うレヴェランスに多いのは、とても簡単なものです。
身体をアン・ファス (正面) に向けて片脚をうしろに引き、少し身体をかがめるお辞儀です。
片脚で立つことだけでも難しい年齢の子どもには脚で難しい動きをすることは困難ですが、レッスンの始め、そして終わりでこの簡単なお辞儀を行います。
幼少時代から感謝の気持ちを育てるのにも、とても大切だと思います。
もっとも一般的なのは、クロワゼのレヴェランスです。
バレエで行われるレヴェランスは通常クロワゼの方向に体を向けて行います。子どものお辞儀よりも一段とバレエに近づいてきました。
クロワゼの5番に立ったあと、側方へ移動をしながら片脚を後ろに置き、レヴェランスを行います。片方向だけではなく両方向行うのが普通です。
クロワゼのレヴェランスに加えて、作品が持つ雰囲気をプラスアルファさせるのが舞台のレヴェランスです。作品の特徴的な腕の動かし方を加えてレヴェランスをします。
作品主人公のキャラクターを演じながらレヴェランスするので演じる役柄によって変わる、プロダンサーのレヴェランスに着目してみるのは面白く、舞台の余韻を味わえます。
舞台に立つ機会があるか分かりませんが、一般的は上手なレヴェランス行い方は、レヴェランスを行うときは必ず呼吸をすることです。
脚を動かした後、お辞儀をする前に一呼吸することです。焦らずゆっくりと行いましょう。
どんな時も、美しく、心からレヴェランスできるようになりましょう。
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