筋トレで筋肉を大きく、あるいは強くしていくには筋肉に「過負荷」を与え続ける必要があります。
しかし多くの方はこの「過負荷」という言葉自体を聞いたことがないかと思います。
そこで今回は、筋トレにおいて重要な専門用語である「過負荷」の説明とその重要性を解説していきます。
1.過負荷とは
筋トレの効果を高めるための原則には7種類があるのですが、その中で最も基本となる原則が「過負荷の原則(別名:オーバーロードの原則)」になります。
過負荷をわかりやすく説明すると「前回の筋トレで扱った重量よりも重い重量を扱う」ということになります。
例えば、前回の筋トレでベンチプレスを60kgで行なったとしたら、今回の筋トレでは62.5kgで行うということが過負荷になります。
2.筋肉を発達させる要因
筋トレにおける過負荷の重要性を理解するには、「なぜ筋トレによって筋肉が発達するのか?」ということを知る必要があります。
一般的には「筋トレ」がそのまま「筋肉を発達させる運動」に直結するようなイメージを持たれていますが、実際はそうではありません。
筋トレというのは「筋肉を破壊する行為」であり、「筋肉を発達させる運動」というよりむしろ「筋肉を弱くしてしまうかもしれない運動」と言うことが出来ます。
では、なぜ筋トレによって筋肉が発達するのでしょうか。
筋トレによって筋肉が破壊されることにより、脳が「このままでは、今の環境に適応できず、生き残ることが出来ない」と認識するようになり、筋肉に対して「もう少し太く(強く)なれ」という命令を出します。
すると筋肉は食事から摂取したアミノ酸を材料として、筋肉を一回り大きくするのです。
つまり、筋トレ自体に筋肉を強くさせる効果はないのです。
筋トレはあくまでも筋肉の発達を促す「きっかけ」に過ぎず、筋肉を発達させるのは筋トレの後に摂取したタンパク質をはじめとする栄養素なのです。
3.なぜ筋トレにおいて過負荷が重要なのか
では、なぜ筋トレにおいて過負荷が重要になってくるでしょうか。
先程、筋トレによって脳が「このままでは環境に適応できず、生き残れない」という命令を筋肉に出すことを説明しました。
ここで重要となるのが「このままでは」という言葉です。
ヒトを含めた動物は皆、今生きている環境に適応する能力があります。
もしその環境が「生き残れないかもしれない環境」だったとしたら、可能な限り生き残れるように適応しようとします。
筋トレもこれと同じです。
筋トレと言うのは、普段の生活ではありえないような負荷を筋肉にかける行為です。
それはヒトにとって「生き残れないかもしれない環境」であり、それを乗り越えるために筋肉を一回り大きく(強く)するのです。
そして、その「生き残れないかもしれない環境」を作り出すのに必要なのが過負荷なのです。
筋トレの重量を毎回少しずつ上げていくことにより、毎回脳が筋肉に対して「もっと強くなれ」という命令を出し、その結果筋肉が大きく(強く)なっていくのです。
もし毎回同じ重量で筋トレをしていた場合、脳が危機感を感じることがなくなり、筋肉が発達することがなくなります。
つまり、筋トレ効果を継続的に高めていくには、筋肉に過負荷をかけ続けることが必須となるのです。
コメント