「挙げるときに吐く、下げるときに吸う」
これが一般的に言われる筋トレでの正しい呼吸法です。
しかし、全ての筋トレ種目においてこの呼吸法が適切であるとは言い切れません。
そこで今回は、効率的に筋肉をつけたい場合の筋トレ呼吸法を解説します。
1.筋トレ呼吸法の基本
冒頭でも述べた通り、バーベルなどの重りを「挙げるときに吐く、下げるときに吸う」というのが筋トレでの基本的な呼吸法になります。
筋肉は伸展しながら発揮する筋力よりも、収縮しながら発揮する筋力の方が弱くなります。
バーベルを挙げる動作(=筋肉が収縮しながら力を発揮する動作)の時と言うのは、非常に力みやすく、ここで呼吸を止めてしまうと血圧が急激に上がり、血管に大きな負担をかけてしまいます。
これを防ぐために力みやすい動作、つまり重りを挙げる際に息を吐き、血圧を必要以上に上げないようにすることが重要になるのです。
一方、重りを下げる際は比較的楽に行うことが出来るので、このタイミングで息を吸うようにします。
2.応用的呼吸法
ただし、これは飽くまで「基本的やり方」です。
スクワット、デッドリフト、ベンチプレスのように高重量を扱う筋トレ種目においては効果的な呼吸法は異なってきます。
筋トレ種目には「スティッキング・ポイント」と呼ばれるものがあります。
これは動作の中で最も重く感じるポイント(位置)のことであり、例えばスクワットで言うなら、太ももが地面と平行になるまでしゃがんだ時がスティッキング・ポイントとなります。
このスティッキング・ポイントを超える瞬間は、胴体部分をしっかりと固め、下半身の筋力を無駄なくバーベルに伝えることが重要になります。
そして、この「胴体部分を固める」ときに重要となるのが「息を止める」ということなのです。
瞬間的に息を止めることにより、腹圧が高まります。
腹圧が高まることで、自然と胴体部分をしっかりを固めることが可能になります。
ただし、息を止めるのはスティッキング・ポイントを超える瞬間のみに限定します。
あまり長い時間呼吸を止めてしまうと、血圧が急上昇し、毛細血管に細かいダメージを与えてしまいます。
では、最後に具体的にスクワットの呼吸法を解説しておきましょう。
1.バーベルを担ぎ、スタートポジションをとる
2.息を大きく吸いながら太ももが地面と平行になるまでしゃがんでいく
3.息を止めて力強く立ち上がる
4.地面に対する太ももの角度が45度程度になるまで立ち上がったら、息を吐きながら膝が伸びきる寸前まで立ち上がる
筋肉をつけたい場合は高重要での筋トレが必要になります。
そのためには、時として「息を止める」という呼吸法も重要になるのです。
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