クラシックバレエには、さまざまな古典的な作品があります。その中の多くには、決まったストーリーや個性豊かな登場人物、キャラクターたちが登場します。
舞台を観る前にストーリーを知ってほしいですが、まずは、どのような演目があるのか、
確認したいと思います。
1.クラシックバレエの演目について
クラシックバレエの演目として有名なものは、眠れる森の美女(Sleeping Beauty)、くるみ割り人形(The Nutcracker)、コッペリア(Coppelia)、ジゼル(Gisele)、ドン・キホーテ(Don Quixote)、ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)、白鳥の湖(Swan Lake)などがあります。
どのような作品が好きかは個人の好みによってさまざまだと思いますが、明るく楽しい物語から、悲劇の展開になるもの、ロマンティックなものと幅広くあります。
それぞれの演目で、主人公たちが見せ場として踊るのがヴァリエーションと言われる部分です。
バレエファンなら、好きなヴァリエーション見たさに鑑賞する作品を選ばれることもあると思います。
そんなクラシックバレエの演目の中でも人気の高いヴァリエーションをご紹介していきます。
ジゼル第一幕よりジゼルのヴァリエーションでは、村人たちが、ぶどうの収穫を祝って集まり始める。ジゼルも母親の許しを得て祭りに加わる。
ジゼルの踊りを始めとして、収穫を祝う様々な踊りが披露され、祭りは最高潮に達するとても華やかなシーンです。
白鳥の湖第一幕よりオデットのヴァリエーションで、王子は狩りの途中、白鳥の群れと出会います。その正体は、呪いによって姿を変えられた人間たちだった。
呪いを解くためには真実の愛が必要である。王子は白鳥の娘オデットに一目ぼれし、彼女の呪いを解くことを誓うシーン。白鳥たちの繊細な動きがとてもすてきな場面です。
対照的なのが、白鳥の湖第三幕よりオディールのヴァリエーション。
舞踏会にて、悪魔の娘オディールが王子を誘惑します。
永遠の愛を誓った、白鳥の娘オデットに扮した彼女の招待を王子は見破ることができず誘惑されてしまうシーンです。黒鳥の妖艶で魅惑的な演技は迫力があります。
ドンキホーテ第二幕よりドルシネアのヴァリエーションはドンキホーテ夢の場にて踊られる、ドルシネア姫のヴァリエーションです。
回転・キープなどポワントで踊られるパがまんべんなく入っており、難易度的には中級者向けのヴァリエーションになっています。
同じくドン・キホーテ第三幕よりキトリのヴァリエーションはキトリの結婚式において踊られるヴァリエーション。
ジャンプや回転はもちろんですが、スペインが舞台なだけあり活気があるヴァリエーションです。
眠れる森の美女第一幕よりオーロラのヴァリエーションはオーロラの16歳の誕生日、オーロラに求婚する4人の王子とのローズ・アダージオの中の女性ヴァリエーションです。
ゆったりとした音楽の中、16歳となったオーロラの可憐さ、初々しい美しさを表現する、難しいヴァリエーションです。
同じく眠れる森の美女より第三幕オーロラのバリエーションもロマンチックバレエの代表作として、多くのコンクールで踊られている作品です。
オーロラの気品や威厳を、美しいアームス・正確なポジションで表現する、難しいバリエーションです。
このようにバレエの作品の中にはたくさんのヴァリエーションが入っています。作品を知るうえで、バリエーションのシーンはとても重要なので、覚えておきましょう。
2.クラシックバレエの演目と作者について
クラシックバレエの有名な作品たちの作曲家について、紹介しておきます。
アドルフ・アダン (1803-1856) フランスの作曲家
ジゼル:ハインリヒ・ハイネ『ドイツ論(精霊物語)』
海 賊:イギリスの詩人:ジョージ・ゴードン・バイロンの長編物語詩『海賊』
アラム・ハチャトゥリャン (1903-1978) アルメニア人の作曲家
スパルタクス:ローマ帝国時代の奴隷の反乱を指揮した英雄スパルタクスの物語
チッポリーノ:イタリア人:ジャンニ・ロダリの童話「チッポリーノの冒険」
ボリス・アサフィエフ (1884-1949) ロシアの作曲家
バフチサライの泉:ロシアの詩人アレクサンドル・プーシキンの詩
パリの炎:フランス革命・ロシア革命
チェーザレ・プーニ (1802-1870) イタリアの作曲家
ファラオの娘:バレエ「ジゼル」原作者:ゴーティエの「ミイラ物語」
エスメラルダ:ヴィクトル・ユゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』
パ・ド・カトル: 「四人の踊り」という意味(1845年ロンドン初演)。
イーゴリ・ストラヴィンスキー (1882-1971) ロシアの作曲家
火の鳥:ロシアの民話
ペトルーシカ:ロシアの民話
春の祭典:ロシアの原始宗教の世界
レオン・ミンクス (1826-1917) ロシア帝国で活躍した作曲家
バヤデルカ(ラ・バヤデール):バレエ「シャクンタラー」
ドン・キホーテ:スペインの作家ミゲル・デ・ セルバンテスの小説『ドン・キホーテ(Don Quixote)』(『奇想天外の騎士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』)
パキータ:オリジナルはジョセフ・マジリエ:ジプシーの娘パキータとフランス人将校の恋を描く物語
レオ・ドリーブ (1836-1891) フランス・バレエ音楽の父
コッペリア:ドイツの作家:E.T.A.ホフマンの『砂男』
シルビア:イタリアの詩人:トルクァート・ タッソの『アミンタ(Aminta)』
ピョートル・チャイコフスキー (1840-1893) 三大バレエを築いたロシアの作曲家
白鳥の湖:ムゼウス『奪われたヴェール』『白鳥伝説説話』
眠れる森の美女:シャルル・ペロー、グリム童話『いばら姫』
くるみ割り人形:E・T・A・ホフマン 『くるみ割り人形と二十日ねずみの王様』
雪娘(スニェグールチカ):ロシアの劇作家:オストロフスキーの戯曲『雪娘』
オネーギン:プーシキンの小説『エヴゲーニ・オネーギン』
セルゲイ・プロコフィエフ (1891-1953) ロシアの作曲家
シンデレラ:フランスの詩人ペローの童話『シンデレラ』
イワン雷帝:「雷帝」と呼ばれるほどの専制君主となるイワン4世の歴史絵巻
ロミオとジュリエット:シェイクスピアの悲劇:戯曲『ロミオと ジュリエット』
カミーユ・サン=サーンス (1835-1921) フランスの作曲家
瀕死の白鳥:湖に浮かぶ一羽の傷ついた白鳥が、生きるために必死にもがき、やがて息絶えるまで描いた小作品
紹介しきれませんが、クラシックバレエは本当にたくさんの名作がありますので、きっとお好きな作品に出会えると思います。
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