キックショット | ビリヤードのポジション・テクニック

ビリヤードのポジション・テクニックとしてキックショットについてまとめてみます。

ここで説明するキックショットは的玉をクッションにキックさせてポケットすることではなく、手玉をキックさせてポジションをとるためのテクニックとして説明します。

キックショットの定義は諸説ありますが、ここでは手玉をクッションに一旦入れてから第1的玉をキックして本来直接ポケットに狙うときのフリとは異なるフリで第1的玉をポケットするショットをキックショットということにします。

「キックする」のキックは仮面ライダーのライダーキックのキックのことです。

クッションから跳ね上がってくる玉が別の玉を蹴り上げるように見えることからキックショットと名付けられたのだと思われます。

1.ビリヤードの手玉のキックショット

キックショットはポケットしたい的玉がレールから5mmから15mmぐらいの間の距離にあって、ポケットからの距離がレールのポイントで1ポイント以内ぐらいの配置でよく使われます。

特に、的玉に直接ヒットさせて狙うと厚みが100%になってしまうような場合は、クッションに1度入れて、真っ直ぐのフリを回避するすることができます。

先ほどいった5mmから15mmぐらいの間の距離は比較的入れるための第1クッションの位置も見つけやすく、ポケットできる確率も高いので、フリなしの状態を回避して手玉のポジションプレーを考えるような場合によく使われます。

2.手玉のキックショットの例

キックショットの例で、ポケットビリヤードで俗称がついている2つのショットを紹介します。

1.ヒッカケ

ヒッカケは、直接手玉を的玉に当てずにクッションに入れてから的玉をポケットするショットで、キックショットのひとつです。

手玉と的玉とポケットがレール際でフリのない状態になったときこのショットを使うと、フリを意図的に変えて飛球線のライン上以外へのポジションができるような場合があります。

俗称の由来は読んで字のごとく「引っ掛け」です。

例えば、左レールから5mm浮いた位置で1ポイントに手玉、0.5ポイントに的玉を配置してみてください。

この配置は、通常入れるだけであれば厚み100%で狙えばポケットできる配置です。

しかし、厚み100%の配置ですと、手玉は的玉の飛ぶ方向と同じライン上にしかフォローでもドローでも運ぶことができません。

ですので、クッションに先に1クッションさせてから、イマジナリーポイントに手玉が入るように狙って、事実上左フリがあるのと同じ状態でポケットします。

手玉の挙動は左フリの玉と同じになりますので、的玉にヒットしてから右90度方向に分離していき、手玉のフォロー回転、ドロー回転によって奥や手前に2次曲線のカーブを描きながら進みます。

この動きは厚み100%で狙うときより自由度が高くて、テーブルのいろいろな位置に手玉を運ぶのに応用して使うことができます。

2.テケテケ

テケテケは、第2的玉が穴前にあるような場合に使うことが多いです。

例えば、左レールのコーナーポケット付近で、左レールから玉1.2個から1.5個分ぐらいの距離で、0.5ポイントのところに第1的玉を配置してみてください。

手玉はレールの線と45度ぐらいになるように配置します。

そして第2的玉をポケットの前に置きます。

この配置から、第1的玉とクッションの隙間を狙って手玉を右ヒネリのフォローショットの撞点で狙います。




すると、クッションと第1的玉の隙間にはさまれた手玉はクッションからの反射の方向には行き場を失って出てこられなくなり、レールをはうようにコーナーポケットに向かっていき、穴前の第2的玉にあたり第2的玉をポケットできます。

テケテケの名前の由来は、手玉がクッションに挟まれたときにテケテケっと2回クッションに入るときの擬音からきています。(ビリヤードでは実際にこのような擬音がなるわけではないのですが、雰囲気でそういう擬音が割り当てられたのだと思います。)

英語でいうと、Tickyといいますが、これも言葉の由来はおそらく時計の「チクタク」の擬音からきていると思います。(諸説あり)

3.空クッション

空クッションは、広い意味でのキックショットです。

例えば、コーナーポケットの穴前に的玉を配置します。

次に、手玉を同じレール側のサイドポケットの穴前に配置します。

的玉と手玉の間に直接的玉に当てられないように邪魔玉を2、3個置きましょう。

この配置から逆側の長クッションに手玉を1回入れて的玉をポケットします。

狙う点は撞点や力加減によって変わりますが、一般的にはハーフショットで、完全回転をしやいすいクッションと手玉の接する高さの撞点で撞くと入射角と反射角が等しくなる場合が多いので、この例の場合ですと長クッションの2ポイント目を狙います。

やってみて、もし手玉が縮んではずれた場合は、少しスピードを落としてやりなおしてみてください。

逆に、もし手玉が伸びてはずれた場合は、少しスピードを上げてやりなおしてみてください。

それでも調整できない場合は、ヒネリを入れたり、狙う点を変えることで調整できます。

3.キックショットの使いどころ

キックショットの使いどころとしてもっとも多いシチュエーションは、ヒッカケと空クッションだと思います。

フリがないときに厚みを、1クッションさせて変化させ「フリを作る」ことが目的のヒッカケと、邪魔玉にはばまれて見えなくなった的玉を入れるもしくはファールをしないように当てる目的のキックショットです。

空クッションをキックショットに含めるかどうかはいろいろ意見が分かれるところだと思いますので、ここではご説明は省き、ヒッカケに関して少し詳しく説明します。

手玉と的玉とポケットがレール際でフリのない状態になったときこのショットを使うと、フリを意図的に変えて飛球線のライン上以外へのポジションができるような場合があります。

ヒッカケは、往々にして順ヒネリとあわせて使うことが多いです。

なぜかといいますと、フリのない配置からポジションするときにある程度ロングな距離が必要なことが多いからです。

キック後に手玉がワンクッションしたあとに、より手玉が走りやすいようにするために順ヒネリを加えてヒッカケます。

プラスツー、ファイブ&ハーフ、といった手玉のコースを体系的にまとめたほとんどのシステムで、順ヒネリが使われているからです。

ヒッカケでもっとも多いシステムの組み合わせは、プラスツーというシステムです。

ヒッカケから後、手玉が短、長、長と流れていくシステムで、的玉を入れたゾーンと反対側のゾーンに手玉を運ぶときに利用できるシステムです。

プラスツーという言葉はわからなくても、ヒッカケ+順ヒネリで撞かれた手玉の動きはおさえておくと今後非常に役に立つと思いますので、しっかり撞きこんで自分のものにしておいてください。




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