全国各地にクライミングジムが作られ、インドアでクライミングを楽しむことが当たり前になってきました。
しかし、元々は自然の山や岩を登るのがボルダリングの始まりでした。
今回は「ボルダリングの醍醐味!外岩の魅力とは?」です。
1. そもそも何で岩を登るのか?
なぜ外岩を登るのか? という話をするために、まず駆け足、かつ色々と割愛しつつボルダリングの成り立ちをお話します。
エベレストやヒマラヤなどの山を登ること、いわゆる登山を総称で“アルパイン・クライミング”と呼びます。
それに対して、山登りの一部である岩や崖を登るという、手段を目的化したものが“フリークライミング”と呼ばれ、この内のロープを使わずに身体一つで登るものが、“ボルダリング”となるのです。
ちなみに同じフリークライミングでも、ロープをつけて登ることは“リードクライミング”と呼びます。
岩登り(ボルダリング)が盛んになるにつれて、天気に関係なく楽しめるインドアでのクライミングも、ジムと競技人口を増やしていっています。
古くからクライミングに親しんでいる人たちは、外岩から始めたという人も多いですが、最近になって始めた人たちはジムデビューしたという人が多くなっています。
ジムデビューの人たちが初めて外岩に行く時は、経験者に連れられていくのが、“外岩デビュー”の定番となっています。
2. 自然を制する達成感
では、外岩の魅力とは何でしょうか?
ジムの課題は、全て人工のホールドが壁に取りつけられ、目印となるテープが貼られていることがほとんどです。
ところが自然の外岩では、特に目印となるものはありません。
トポと呼ばれるルート図を見て、目当ての課題が岩のどのラインを使うのかを確認し、さらに経験者の指南やネット上にアップされている過去の完登者の姿を見て、ようやくどこを保持するかが分かります。
そして岩のホールドは、ほとんどがジムで言うところの“カチ”で、指先の強さが重要になってきます。
もう一つ大きな違いとして、ジムではゴールのホールドを両手で保持したら終わりですが、外岩では岩の上に立ったらゴールとなるので、マントル返し(岩のフチに足をかけて身体を持ち上げるムーブ)が必要になってきます。
そんな外岩を登ることは、ジムのセッターが作った作為的なものを感じずに、自然に作られたものと戯れる一体感を味わうことが出来るのです。
自分の身体一つで自然のものに勝つ、いわば“自然を制した達成感”を得ることが出来、これが最大の魅力といえます。
さらに天候、気温によって、岩の保持感が全く違います。
寒く乾燥した時期は保持感が良い代わりに待ち時間は寒く、逆に暑く湿気ていると過ごしやすいですが保持は悪い、というコンディションの差も、自然空間ならではの楽しさです。
※ちなみに、暑すぎるのは厳しいコンディションとされ、国内の外岩は10月~5月頃がベストと言われています。
「行ってみたいけど、一人では怖い」という人は、ジムのスタッフや常連さんが行く時に思いきって便乗するなどして、一歩を踏み出して外岩を楽しんでください。
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