ボルダリングは自分の体一つで登っていく、個人スポーツです。
一人でも気軽に通えることも、ここ数年のブームを生んでいる要因です。
でも、上達への道は一人だけで進む必要はありません。
今回は「ボルダリングセッションに参加する」です。
1. セッションとは何か?
今回のテーマである「セッション」という言葉を聞いたことがありますか?
音楽業界ではミュージシャン同士の演奏を意味する言葉ですが、ボルダリングでは同じ課題を複数名で一緒に登り、お互いのムーブを参考にして完登を目指していくことを言います。
ジムによってセッションの方法は異なりますが、常に貼ってあるテープ課題とは別に、その場でセッターが提示した課題を、集まった人たちがオブザベして登っていきます。
セッターの人は、セッションを受ける人たちのグレードに合わせ「○級くらい」を想定して課題を作ります。
同じくらいのグレードの人たちが、自分たちがギリギリ登れるかどうかの課題を登っていくので、ある程度まで上達してきた中級者にとっては、トレーニングとしてもオススメです。
普段は自分が登りたい課題を一人で登ることも多いと思いますが、セッションではその場に集まった人たちと一緒に登っていくので、一人では分からないこと“気づきのチャンス”がたくさんあるのです。
2. 自分の引き出しに無いムーブを知る
まず、オブザベの時点で人がたくさんいることの影響があります。
言うまでもなく、人によってパワー、テクニック、リーチや得意、不得意なムーブは違い、クライミング経験にも差があります。
当然、課題へのアプローチも変わってくるので、時には5人が登って5通りの違うムーブが出てくることもあり、これを見ることで自分のムーブの引き出しを増やすことにも繋がります。
一番分かりやすいのは、自分と全く違う体格の人のムーブを見る時でしょう。
比べて全くムーブが違う時もあれば、意外にも核心でのムーブは同じだったりと、その人のムーブを見ることで、逆説的に自分の得意なムーブや特徴を知ることもあります。
この「自分にクライミングを知る」ことは、登る前に頭でムーブを組み立てるボルダリングにおいて、非常に大事なことです。
また、同じくらいグレードの人たちと励まし合い、競い合いながら登ることで、一人で黙々と登るよりも、予期せぬ力が湧いてくることもあります(メンタル面の重要さは、全てのスポーツに共通したことです)。
「他人を知ることで、自分を知り、その自分を超える」思いきりカッコつけた言い方にしましたが、セッションで学べることはそういうことなのです。
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