乗馬を習得するうえで馬上体操はとても有効な手段です。
体を柔軟にするストレッチの意味だけでなく、体に馬の動きを覚えさせてバランス感覚を養い、馬の上でリラックスさせるために欠かせません。
1.馬上体操のやり方
乗馬の初心者だと、馬の高さや揺れに対してまだ恐怖心があるかもしれません。
このような時に馬上体操をすると、緊張した体をほぐすことができだんだんと馬の反撞に身を任せられるようになるでしょう。
また乗馬に不可欠なバランス感覚とリズム感を養うことができ、さらにリラックスして落ち着いて馬に跨っていることができるようになります。
通常は常歩の状態で馬上体操をします。
まず上半身をひねる運動から始めます。
両手を左右に開き、続けて左手で馬の右肩を触りゆっくり手を下げていきながら10数え、右手も同じようにします。
その後また両手を左右に開き、左手で馬の右側のお尻を触りゆっくり手を下げながら10数え、右手も同じようにします。
次に脚の運動をします。
左足を曲げて足首を持ち、太ももの前側を伸ばすように引き上げ10数え、右足も同じようにします。
その後両足の足首をもって同時に引き上げ10数えます。
それから両膝を上に上げて、坐骨だけが鞍に接しているようにし、10数えます。
最後に体を後ろに完全に倒し、仰向けになって力を抜きます。
頻繁にこうした馬上体操を行っていくと、乗馬に必要な筋肉も付き、よりスムーズに馬の動きに対応できるようになるでしょう。
2.馬上体操の注意点
慣れないうちは恐怖心から体が普段よりも固まっていることがあります。
このような時に無理をすると怪我や落馬の原因となります。
また恐怖心が強いまま無理に馬上体操をすると、手綱を引っ張ってしまったり腹を蹴ってしまったりする可能性があります。
これは馬が暴走してしまう原因になり非常に危険です。
常歩で馬上体操を行うのが怖いと思う場合には馬を停止させた状態で行うのなど、自分のペースに合わせましょう。
また、馬上体操をするのだからよいと考えて、騎乗前のストレッチをサボる人がいますが、思いがけない怪我を避けるためにストレッチは念入りにするべきです。
そして馬上体操は、ゆっくりと時間をかけて行うときに効果があります。
限られたレッスンの時間が気になるのは理解できますが、しっかりと息を吐きながら時間をかけて行いましょう。
少し乗馬に慣れてきたころになると、馬上体操をしないでそのまま練習に入りたいと思うかもしれませんが、馬上体操も練習のうちと考えましょう。
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