乗馬用に使う頭絡は、基本的に無口頭絡と同じ形ですが、革製でハミと手綱がついています。
乗馬では、ハミも手綱も馬をコントロールするのにとても大切な道具です。
ちょっと装着の仕方に注意が必要なので、今回は頭絡の正しい掛け方について説明したいと思います。
1.乗馬用の頭絡とハミについて
ハミは、頭絡についている金属製の道具で、直接馬の口の中に装着します。
多くのものは、ステンレスに少し銅が混ざっている素材が使われています。
ハミは細いものの方が制御の作用が強く、太いものの方が制御は緩やかに作用します。
それ以外にも、口当たりを良くするために、ゴムが巻かれているものもあります。
ハミは手綱とつながっており、乗り手が手綱を使って馬へ送った合図をハミが受け取り、馬はハミに伝わる力を感じて乗り手からの合図を理解します。
手綱とハミは、車で言うところのハンドルとブレーキの役割をしています。
乗馬の奥義として、このハミを馬に上手く味わす事ができるか否で、馬の調教の仕上がりも競技での成績も変わってきます。
金属製の重い道具ですので、扱いを間違えれば馬に不快感を与えてしまい、上手く操縦できない原因にもなります。
2.頭絡と手綱の上手な掛け方
頭絡の装着は、馬装の中でも一番最後です。
どこの乗馬クラブでも、各馬専用の頭絡が用意されていますから、乗る馬にあったものを使いましょう。
まずは、馬の左側に立ち、左側の引き手を無口からはずします。
その次に手綱の部分を馬の首に掛けます。
手綱を掛けたら、無口をはずしましょう、そのまま地面に落として大丈夫です。
手綱を首に掛けておけば、馬が動いても手綱を持って押さえれば良いので安心です。
そのとき頭絡は左手で持ち、スムースに付けれるように額革が前に向いていることを確認しましょう。
手綱を馬の首にしっかりと掛けたら、自分の右手を馬の首のしたから馬の顔の右側の持って行き、右手で頭絡を馬の鼻梁の前で持ちます。
そのときに頭絡を持った右手で馬の鼻も軽く押さえ、顔を固定し、ハミが馬の口の前に来るようにします。
ハミが馬の口の前に来たら、左手の手のひらの上にハミを載せ馬の唇に触れさせます。
賢い馬だと自分からハミをくわえますが、歯を食いしばって口をあけない馬も居ます。
口をあけない場合は、馬の口角に左手の親指を軽く差し込んでください。その部分に歯はありません、
そこを刺激すると口をあけますので、口をあけた瞬間にハミを入れてください。
その際、絶対に気をつけていただきたいのが、ハミを馬の歯にぶつけないようにしてください。
金属製のハミががツンと歯に当たったら不快ですよね?
上手くハミが所定の位置に収まったら頭絡を引き上げうなじ革を耳の後ろに引っ掛け、鼻革を止め、最後に顎革を止めます。
鼻革は指が二本入るぐらいのゆとりを、顎革は拳が1個入るぐらいのゆとりを持ってとめてください。
全てを止めたら、前髪等を整えてあげてください。
もし、すぐに騎乗しない場合でもう少し馬を洗い場に繋いでおく必要がある場合は、ハミに引き手を掛けることは絶対にしないで下さい。
頭絡を付けたまま、洗い場に繋ぐ場合は、頭絡の上から無口を装着し、無口に引き手を繋ぐようにしましょう。
その際、馬が手綱を踏んだりしないように気をつけましょう。
乗馬クラブによっては、初心者に頭絡の装着はさせないところもあります。
なぜなら、やはり馬の歯にハミを当てられると、馬がハミを嫌がるようになってしまうため、そのリスクを避けるために、初心者には馬装をさせないのです。
馬装に関しては、所属している乗馬クラブのルールに従ってください。
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