蹄は馬にとって、とても大切な部分です。
蹄の手入れ具合が悪いと、蹄の病気になりやすくなります。
蹄は馬の重い体重を支えている部分なので、病気になると他の部位にも色々なトラブルが出てきます。
そこで、今回は乗馬前後の蹄の手入れについて説明したいと思います。
1.まずは馬の蹄について
蹄は、競走馬にとっても、乗馬馬にとってもとても大切な部分です。
蹄は馬の重い体重だけでなく、乗馬中の乗り手の体重をも受け止め地面に着地し蹴っていきます。
蹄は人間の指先と同じで、中には骨や神経、そして血管も通っています。
蹄まで届いた血液をまた再び心臓まで返さないといけないですが、蹄は末端なので心臓まで遠く血液を返すのには、力が必要です。
そのため、蹄は着地し体重を受け止めた時に拡張し、地面から離れたときに収縮し、ポンプのような役割もし、蹄まで来た血液を心臓まで返します。
この作用によって血液が上手く循環するのですが、運動不足等で循環が上手くいかないと、肢全体がむくんだりします。
蹄は「第2の心臓」と言われているぐらい大切な場所なのです。
蹄は爪と同じなので、伸びます。
爪が伸びすぎたり、すれ具合のバランスが悪くなると、肢に負担がかかるので、定期的に削蹄(さくてい)と言って、蹄を削ります。
削蹄は加減が難しく、素人さんには難しい作業ですので専門家に任せましょう。
しかし多くの乗馬用の馬は、蹄鉄を装着しているはずですので、定期的に装蹄師さんを呼んで、削蹄と装蹄をお願いしているはずです。
2.乗馬前の蹄の手入れ
乗馬前に馬を馬房から出し、洗い場に繋いだら、まず一番にすることが「うらほり」でしょう。
うらほりとは、うまの蹄の裏の少し空洞になっている部分を「てっぴ」という手入れ道具を使ってきれいにすることです。
馬房に居る間に、排泄物やわら等を踏んだものが蹄の裏に溜まったりしますので、そこに溜まっているものをてっぴでかき出します。
余分なものが溜まったままでは歩きにくいですし、肢に負担もかかりますので、乗馬前にはかならず、うらほりをして下さい。
その際気をつけなくてはいけないのが、蹄の裏には三角形になった「蹄叉」という部分があるのですが、そこは爪の発育や健康の為に大切な部分なので、てっぴで傷つけたりしないように気をつけましょう。
3.乗馬後の蹄の手入れ
乗馬後の蹄の手入れは、蹄をきれいに洗います。
蹄と蹄鉄の隙間に砂が溜まっていたりするので良く洗います。
洗った後は、乾いたタオルで、蹄周辺の毛、蹄の表面そして裏も拭きます。
洗ってそのままにすると、蹄が乾いてしまい、割れたり欠ける原因になります。
また、馬房内で排泄物を踏んだりして、濡れすぎても蹄の病気の原因にもなります。
乾燥予防と蹄を保護するために、馬房に戻す前に蹄油を塗りましょう。
蹄油は蹄の裏から塗りますが、蹄叉の部分には塗りません。
裏に塗ったら、蹄の表面にも塗ってください。
その際、蹄の境目の毛には蹄油がつかないように気をつけましょう。
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