乗馬用語で、「口が硬い」というのは、ハミに対して馬の反応が鈍いことをさします。
一般的に口が硬いといわれる馬は、騎乗者の合図に従順に従ってはくれないので、扱いにくい馬に分類されます。
何も生まれつき「口が硬い」わけではないです。
人間が誤った扱いや調教をしたのが硬い口の主な原因です。
どうして口が硬くなってしまうのか、そして口が硬い馬への対処方法について説明したいと思います。
1.馬の口が硬いと言われる理由と原因
馬の口が硬いというのは、「ハミ受けが悪い」というのと同義語です。
ハミは馬の口の中で、前歯と奥歯の間にある隙間に収まり、口角のところにハミ環がきて、手綱はハミ環につながれています。
ですので、手綱の動き(拳の動き)は馬の口の中にあるハミにダイレクトに伝わります。
右側の拳を開けばその動きに反応して馬は右へ、手綱が引かれれば減速停止をします。
しかし、口の硬いと言われる馬には、なかなかその合図が伝わりません。
何も生まれつき反応が鈍いわけではありません。
ハミが正しい位置にちゃんと収まっていなかったりすることも原因になります。
その他の原因としては、調教中や他の騎乗者がその馬に合わないハミを使ったり、力任せに拳をぐいぐい引くような乗り方をされて、口角が麻痺しているというのか、口角がその名の通り硬くなってしまっているのだと思います。
自分の口の中にハミがあり、ハミの両端が口角にあたりぐいぐい引かれて当たることを考えたら、その苦痛が分かるのではないかと思います。
炎症が慢性的に続けば、その部分は硬化するでしょうし。
やはり、初心者だと乗馬中は拳に頼りすぎる傾向があるからだと思いますが、初心者用の馬などは、口の硬い馬は多いような気がします。
2.馬の口が硬い場合の対処法
一度硬くなってしまったものを、元に戻すのは非常に大変です。
ハミを変えたり、もっと強い扶助がかかる矯正用の馬具をつけたりすることもできますが、ハミの選択がまた上手くいかなかったり、矯正馬具に使い方を間違えれば、悪化を招くこともあります。
口を痛めた馬は、ハミに対して良い思いも無いので、強い扶助がかかるものだけに頼るのは良くないかもしれません。
口が硬いというのは、ハミをきちんと受けれない、ハミを味あわないという意味でもあるので、馬が乗馬中に楽しんでハミを味わってくれるようなものに変えてみるのも一案です。
ハミはそれこそ数え切れないぐらい多くの種類があります。
通常は、ステンレス製ですが、ハミ身にゴムやシリコンが巻かれていて、口に対して負担の少ないものや、口の中におさまりやすいもの等あります。
ハミを変えても治らないこともありますが、とりあえず試してみる価値はありますので、インストラクターや調教師に相談されてみてください。
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