馬が暴走するのは、たとえ乗馬上級者であっても怖いものです。
馬が暴走するには必ず原因や理由があります。
しかし、排除できる原因もあれば、不可抗力の原因もありますので、今回は馬が暴走したときの対処の仕方について説明したいと思います。
1.どのような理由や原因で馬は暴走するのか
馬が暴走するにはいろいろな原因や理由があります。
非常に過敏な馬に、脚の位置や拳の位置が不安定な初心者が乗れば、馬はブラブラ揺れる脚や緩んだり締まったりする手綱にイライラして、暴走するでしょう。
競走馬から乗馬用馬に転向した馬で調教が不十分であれば暴走する可能性があります。
練習の内容、馬のレベル、乗り手の技量のバランスが取れていない場合も馬の暴走を招く可能性があります。
上記のような理由であれば、初心者は、過敏な馬は避け、十分に調教された自分の技量と練習内容に合った馬に乗ることで暴走されるリスクは軽減できると思います。
馬は良く「人を見る」といいますが、本当にその通りな上、意外とわがままで現金です。
自分の背に乗っている人間が初心者で技量が足りないと分かると暴走して落とす馬は居ます。
自分の背に脚がばたばたしたり、手綱をぐいぐい力任せに引っ張るような人間が乗っていたら疲れてしまい、振り落として楽になろうと、馬は考えるでしょう。
そのため、初心者には、若い過敏な馬ではなく、ある程度年齢の行っているおとなしく落ち着いた馬を割り振るのが普通です。
上記のような理由でなく馬が暴れるのは、突然突風が吹いたり、馬場の外で練習を見学しているギャラリーが急に騒いだり、車のクラクションの音に驚いたりと、予測不可能なことが起きた場合が多いです。
あとは、運動不足でイライラしている馬も暴走しやすいです。
そのような馬に乗らなくてはいけないときは、まずは調馬策で軽く運動させてから乗りましょう。
2.乗馬中に乗っている馬が暴走してしまったら
馬の暴走は、予測不可能なこともあります。
おとなしい初心者用の馬でも暴走することはあります。
運悪く、乗馬中に馬が暴走してしまい、とりあえず単に走っているだけであれば、まずは手綱をしっかり持ち、身体を起こしましょう。
前かがみになると落馬しやすくなります。
乗り手が、びっくりして悲鳴をあげたりすると、その声にさらに反応して暴走がひどくなることがありますので、馬が暴走を始めても落ち着いてください。
乗馬用の馬は、ある程度音声にも反応するように調教をしています。
馬に落ち着け、スピードを落とせという意味の音声は「ほーら、ほーら」「おーら、おーら」又は「ほー、ほー」と落ち着いた声でゆっくりと馬に呼びかけてください。
馬が暴走したからと言って、やみくもに手綱を引くのはよくありません、手綱を引けばハミが馬の口に当たります。
きつく当たれば馬は痛みを感じて、余計に背の上の人間を振り落とそうとするでしょう。
馬に落ち着けと声を掛けるのと同時に、左右の手綱を数回ずつ交互に軽く引いてください、軽くです、思い切りひいてはいけません。
もし、ある程度鞍数をこなしており、馬を誘導できる余裕があるのでしたら、輪乗りや巻き乗りをし、その輪をだんだん縮めていきましょう。
回れなくなれば、馬はスピードを落とします。
あとは、埒にぶつけるように馬を誘導するという手もありますが、馬が絶対に埒を飛び越えないという保証はないので、あまりお勧めはしません。
暴走中に後肢を蹴り上げたり、立ち上がったりするようなひどい暴走でなければ、上記の方法である程度馬は落ち着きます。
初心者の方でしたら、鞍の上に座っているのが精一杯で、馬の誘導は難しいと思いますが、馬も痛い思いはしたくはないので、むやみやたらに走り回ることは余程のことがないかぎり無茶はしません。
ただ、そう言われても初心者の方は、馬の暴走はとても怖いと思います。
筆者も、初心者の頃は数え切れないほど落馬をしました。
上達すれば馬の暴走は減ります、ですので、くじけずに頑張ってください。
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