馬も生きているからこそ怪我をしたり病気になることもあります。
馬が病気になると大変です、身体も大きいので薬代も高額になり、注射一本で数万円ということもあります。
そして、大動物の馬専門の獣医師が日本には少ないからです。
打ち身や擦り傷といったものであれば、街の動物病院の獣医師でも治療が可能でしょうが、馬特有の病気の場合は、やはり専門医でなければ治療は難しいようです。
ここでは、馬に多い病気と人間が気をつければある程度予防が可能な病気について説明したいと思います。
1.馬に多い病気その1疝痛
疝痛は馬に非常に多い病気です。
疝痛は、胃腸障害なのですが、便秘が原因になることもあれば、食べすぎ、お腹の冷え、運動不足、カビ、痛んだ食べ物、寄生虫、腸捻転等が原因でなることもあり、タイプが多くあります。
「何だ、腹痛か?」と思われたでしょうが、疝痛は乗馬用馬競馬用馬に関係なく馬には多い病気で非常に危険です。
処置が遅くなれば、命を落とすことも少なくありません。
馬は、身体の大きさに比べて、胃が小さく、そして胃の構造上悪いものを食べたとしても吐く事もできません。
腸の太さも均一ではないため、狭いところに内容物が詰まってしまったり、その上、腸も長く固定されていないため、大きく動く為、腸捻転も起こしやすいです。
特に「変位仙」と言われる捻転性の疝痛は予後が悪いです。
冬に馬を洗った後、感想が十分じゃなかったり、寒さが厳しかったりすると、冷えから疝痛を起こします。
便秘が原因の疝痛も非常に多く、その場合は浣腸をし、馬を歩かせて腸が動くように促します。
症状としては、しきりにお腹のほうを見ながら前掻きをしたり、もっと症状が進むと起き上がれなくなり、痛みからうーうーとうなります。
その姿は、見ているほうも非常につらいです。
横になってしまうと、状態が悪化するので、その場合は何とか立ち上がらせ歩かせます。
予測不能で防げない突発的な疝痛もありますが、冷えや便秘、食べすぎから来る疝痛は、きちんと世話をし飼葉を管理していれば発症リスクを軽減することはできます。
馬がご飯を食べているのに排便が少ない、水をあまり飲まない、馬装中や乗馬中に元気がないと感じたときは、お腹に耳を当ててみましょう。 腸が動く音がごろごろと聞こえれば大丈夫ですが、聞こえなかったら疝痛かもしれません。
その場合は、乗馬クラブの厩務員やインストラクターにすぐに知らせてください。
2.馬に多い病気その2跛行
跛行(はこう)は、馬の歩様に異常がある状態を指します。
びっこを曳いて言う状態ですが、原因は筋肉や関節の異常が考えられますが、肢の筋肉や関節の異常とは限らず、背、腰、肩、蹄を痛めていても起こることがあります。
乗馬前、乗馬中に跛行が見られたら運動は中止しましょう。
肢を触ってみて、傷や腫れ、熱を持っている部分はないか確認しましょう。
傷があれば消毒をし、治癒薬を塗布しましょう。
腫れや熱がある場合は、冷却材やアルコールを使って、熱を冷ます処置をして、獣医さんに診せましょう。
肢に以上のない場合は、背や肩、腰、蹄に原因があるかもしれません。
身体中をチェックして、触ると痛がったり、筋肉をぴくぴく痙攣させたりする場所がないか探しましょう。
馬は身体の割りに細い肢で身体を支えているので、跛行があったときに適切な処置や休養をとらなければ治るまでに時間がかかってしまうので、「跛行してるかな?」と思った場合は、良く診てもらいましょう。
3.馬に多い病気その3フレグモーネ
フレグモーネは外傷に菌が入り、炎症を起こし化膿した状態です。
非常に痛がり、発熱を伴うこともありますので、小さな怪我でも侮らないようにしましょう。
抗生剤入りの軟膏等を塗布して治療をします。
重症は、傷を切開して膿を出します。
4.馬に多い病気その4挫せき
挫せきは、乗馬中や曳き馬中などに、後肢の蹄が前肢のかかと部分を蹴ってしまて起こることが多いです。
かかとの底を傷めている状態です。
それ以外にも、硬い石や釘などを踏んでも起こります。
馬場の砂の中には石が混じっていることもあります。
乗馬クラブ内であっても。馬場以外の場所を歩くときにも起こりやすいので注意しましょう。
外乗に出たときも気をつけましょう。
5.馬に多い病気その5蹄の病気
蹄の病気の原因は、手入れが不十分だと起こります。
乗馬後蹄を洗ったときに、蹄を保護する蹄油を塗らなければ、乾燥により蹄に亀裂が入る「裂蹄」になりますし、洗った後に乾燥が不十分であれば、蹄の裏の蹄叉という部分がぶよぶよになって悪臭を放つ「蹄叉腐乱」という病気になります。
蹄が病気になると、重い体重を支えている上に、つねに地面にも接していて何らかの負担がかかりっぱなしなため、治療が長期化することも少なくありません。
蹄は馬にとっては非常に大切な部位ですので、手入れは丁寧にしましょう。
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