乗馬に使われる馬は本来とても大人しいですが神経質な面もあり、びっくりしたり興奮したりした時、また怒った時にも暴走することがあります。
制御方法を身に付けて人馬共に怪我のないようにしましょう。
1.馬が暴走しそうな状況を避ける
馬を制御する方法を学ぶには、まず馬がどのような状況で暴走に至るのかを知り、馬の様子から暴走しそうなことをキャッチし回避させることができなくてはなりません。
1.物見する
馬は敏感でデリケートな動物なので、知らない物に対して非常に臆病です。
そのため、不思議に思ったり馬の注意を引いた物をジッと見る習性があります。
見た結果馬が「問題なし」と判断すれば何事もなく過ぎてゆくのですが、「怖い」と思うと飛び跳ね、そのまま暴走に至ることがあります。
それで乗馬の際、馬の物見に気付いたらすぐに拳や舌鼓で馬の注意を乗り手に集中させましょう。
それでも物見がひどかったり鼻の穴を広げて興奮してきているようであれば暴走する可能性が高いと言えます。
特に物見の対象が鳥や風に吹かれて飛んできたビニール袋のような動くものである場合、次の瞬間対象物がこちら側に動けば多くの馬はとても怖がります。
このような時には馬の向きを変え、それらの物から離れるのが安全策です。
2.扶助の矛盾
乗り手の扶助が馬にうまく伝わらず、馬からしたら何をしたらいいのか分からない時に馬は非常に苛立ちます。
よく見られるのが、速歩のほどをつめるためるために乗り手は脚と拳を一生懸命に使っているのですが、その方法の未熟さから馬に指示が使わっていない状況です。
また、短鞭を使い始めたころによくあるのが、知らず知らずのうちに短鞭で馬を煽っていることです。
こうすると馬はどんどん混乱し、イライラしてきます。
そして堪忍袋の緒が切れると暴走するのです。
このような乗り手側のミスによる暴走をなくすことが不可欠です。
2.暴走してしまったらどうするか?
気をつけてはいても、乗馬中に暴走してしまうこともあります。
その時は、怖いからと言って前かがみになると簡単に落馬してしまうので、しっかりと上体を起こし脚で胴を深く挟み込んで馬の急な方向転換や飛び跳ねにも付いていけるようにします。
それから、蹄跡から輪乗りに変え直進の時ほど速度が出ないようにします。
その時も「ホウホウ」などと声をかけ、馬を安心させるようにしましょう。
多少落ち着いたところで愛撫するのも効果的です。
その後速歩に落とし、手前を変えながらしばらく走らせているといいでしょう。
短鞭の持ち方が暴走のきっかけになっているのであれば、インストラクターなどに合図し、その人にすぐ拾ってもらえる所で短鞭をそっと下に落とします。
また、物見によって暴走した場合、可能であれば馬が落ち着いてからもう一度その場所に行き、愛撫をしながら通ると馬の恐怖の記憶を払拭することができ、同じところでいつも飛んでしまう、という事にならずにすみます。
暴走した時は、馬との信頼関係が肝心です。
落ち着いて状況を判断し、馬の不安を取り除いてあげましょう。
コメント
コメント一覧 (1件)
スタッフが近づいてくると暴れる…なんてのもあった。
何かの際に乗り手を振り落として暴走する…と評判の悪い馬がいた。
(自分の時に限り)「先ず振り落とす」をヤメさせた。暴走の際は取りあえず振り落とさずに走り、スタッフが(カラ馬になった筈の)馬を捕まえに来てから振り落とすという順序に変更させた(スタッフが馬を捕まえに来ない場合はいつまでも振り落とされない。自分で馬を止める/止めずに馬を返す時間が来るまでエンドレスに走らすのも乗り手の自由)。これでスタッフが犯人という事がハッキリした。
馬が勝手にその辺の草を喰ったからと言ってスタッフが走ってきてその馬を蹴る…という躾をしていて、馬は「草を喰ってはならない」とは学習せず「スタッフ=要注意」と学習してしまったからです。