拍車を上手に使えるようになると疲れずにもっと細やかな指示が出せるようになります。
特に馬場馬術において、美しくスムーズに騎乗するのに拍車は欠かせません。
付け方と使い方をマスターして人にも馬に優しい乗馬ができるようにしましょう。
1.乗馬を楽しむための正しい拍車の付け方
乗馬をするにあたり、拍車の付け方が間違っているとスムーズな意思の伝達ができず、人馬共に疲れたり混乱したりしてしまうことがあります。
まず拍車を選ぶ時に、拍車の種類が馬と自分のレベルに合っているか正しく判断しましょう。
脚が安定しなかったりつま先が外に向いてしまう癖のある人は、思わぬ事故につながるおそれがあるので拍車を使うべきではありません。
この段階をクリアして最初に使う拍車は、短めの棒拍がおすすめです。
しかし、重い馬で拍車にあまり反応しない場合には少しずつ長い棒拍に変えていくとよいでしょう。
ストラップには革製とナイロン製の物がありますが、ナイロン製の物は好みの長さに微調整することができ便利です。
長靴に拍車止めが付いている物もありますが、拍車止めのない長靴もあります。
その場合の付け方のポイントはきつくしっかりと締めることです。
騎乗中に拍車の位置が下がってしまうと、うまく拍車が使えなくなります。
きつく締めても滑ってしまう時に重宝するのが、拍車の長靴と接する部分にゴムカバーをはめる付け方です。
このゴムカバーはとても優れもので、拍車を正しい位置に保ちぐらつきを防いでくれます。
2.正しい拍車の使い方
長靴に正しく拍車が装着できたら、次はいよいよ拍車で扶助を出してみましょう。
この時に忘れてはならないのは、「脚が主扶助、拍車は副扶助」であるという事です。
このことを意識しないと、基本の姿勢がくずれ膝の上がった不自然な形になってしまうことがあります。
ふくらはぎをしっかりと馬のお腹に押し当てる基本の姿勢を維持しましょう。
また、自分の踵の位置と向きに注意します。
うっかり踵を内に向ければすぐに拍車の扶助が入ってしまいます。
その時、拍車が拳の扶助や騎座の扶助と合っていないと馬は混乱し、ひどい場合には暴れだすこともあるので注意しましょう。
さらに、踵の向きが悪いと馬に拍車傷をつけることにもつながります。
軽い馬なら、拍車をこすり付ける感覚で使うだけで反応するので、馬に合わせて使い方を調整することが大切です。
拍車は馬を痛めつける物ではなく、コミュニケーションをとるための道具です。
乗馬は馬との対話です。
拍車も優しく使うようにしましょう。
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