華麗な足技を主体とするテコンドーは柔軟性があったほうが有利であることは間違いありません。特に上段への頭部に高いポイントを設定しているため、上段蹴りや回転蹴りの比重が他の格闘技に比べて大きいのも特徴です。
しかし、身体が硬いからと言って諦める必要はありません。
体の硬い人にはそれに見合った戦術があるからです。
1.体が硬い人のためのテコンドー戦術
体の硬い人は柔軟性のある人に比べて上段蹴りや回転蹴りを蹴る際に不利になりがちです。
しかし安心して下さい。これから解説する方法を練習すれば体の硬い人でも上達が早まり、テコンドーが一気に楽しくなります。
1. 蹴る瞬間に上体を後ろへ倒す
上段蹴りを蹴る上でまず身体の硬い人にありがちなのは、上がらない足を無理なフォームで上げようとして力んでしまうことです。
力むと技が遅くなり、初動もバレバレなので当たる攻撃も当たらなくなります。
私自身も人より体が硬く随分苦労しました。
そこで、身体が硬い人は上段蹴りの際に「上体を後ろに倒してから蹴る」事を意識しましょう。
身体の硬い人が上段を蹴る際に難しくなるのは膝の抱え込みが上手くできなかったり、例えできたとしても高い位置にキープできないため相手の顔面に蹴りが届かないケースが圧倒的に多いです。
それを避けるために上体を大きく後ろに倒しながら蹴る事で膝を高い位置に持っていき、そこから蹴りを繰り出します。
こうすると身体の硬い人でも上段を蹴る事ができるのです。
慣れてきたら、上体を倒す角度を小さくしていくとモーションが小さくなりよりバレにくい上段蹴りを蹴る事が可能になりますので少しずつ上体を倒す角度を浅くしていきましょう。
2. 試合の中での組み立て
さて、上記では身体の硬い人が上段を蹴る基本と上達のコツについて説明しましたが、今度は実際に試合で使うためのポイントについて説明します。
身体の硬い人は柔軟性のある選手以上に「頭脳や戦術」が必要になってきます。この項を読んでポイントを抑えましょう。
1.強烈な中段攻撃で相手の頭を下げさせる
体の硬い人がいきなり上段を蹴ってもまず当りませんし、仮に当たってもポイントを奪えるだけの威力やスピードは出ないでしょう。
そこで、中段への攻撃を核として堅実に上段を当てる戦術を紹介します。
まずは横蹴りやパルンバルで距離を測りながらしっかり蹴り込んでいきましょう。いきなり上段を狙うのではなく小さく浅い攻撃で堅実にポイントを奪っていくことからスタートです。
中段に攻撃を集中させると相手のガードは下がってきますが身体の硬い人はもう少しの辛抱です。「相手の身体がくの字に曲がるほどの強い中段攻撃」を当てて下さい。
これは誘いの攻撃であり頭を下げさせるのが目的なので胴だけでなく腕ごと蹴っても構いません。
相手の頭がガクッと下がったらいよいよ上段蹴りの出番です。ポイントは頭が下がった瞬間には上体を後ろに倒し、膝の角度が上に向いていることです。
頭が下がって蹴りやすい位置にある上段をしっかり蹴り込んでポイントを奪いましょう。
このように段階を踏んで心理的なテクニックや頭脳を用いた戦術をこなしていけば例え体が硬くとも一撃必殺の上段蹴りを当てることができますし、戦術の幅が大きく増えてますます上達します。
以上がテコンドーにおける身体の硬い人の為の練習方法と上達のコツ、試合で実際に使うためのポイントです。体が硬いからと言って諦めることは何一つありません。
テコンドーを学ぶ人の全てが体が柔らかいわけではありませんし、体が硬くとも全国大会に出場するほど強い選手はごまんといます。あなたも地道に続けていきましょう。
ご清聴ありがとうございました。
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