テコンドーの演武は流麗でキレのある型、豪快で見るものを圧倒する板割がメインです。
今回はそんなテコンドーの演武を型と板割に絞って紹介させていただきます。
1. テコンドーの型
はじめにテコンドーの演武の代名詞、型から解説していきます。
流麗でリズミカルな型はテコンドーの根幹をなす技術でありとても美しい動作でもあります。
では演武の代名詞、型について解説します。
1. 演武の型には2種類ある
テコンドーの型はITFとWTFの2流派によって名称も特徴も異なります。
ITFの型は「トゥル」といい、「サインウェーブ」といわれる波の動きを取り入れているのが特徴です。
サインウェーブは脱力によって重心を落下させることで瞬間的に力を増すという力学に基づいた理論的な技術です。
横から見ると移動しながら重心を上下させているので波(サインウェーブ)の動きに見えることから名づけられました。
名称は「トサン」「チュングン」といった朝鮮の歴史上の偉人や王の名前が多く、元号が型の名前として名づけられています。型は朝鮮の歴史を刻んだメッセージでもありますね。
一方、WTFの型は「プムセ」といい、松濤館空手に非常に似たキレのある素早い動作が特徴です。
特にほぼ真上の角度を横蹴りで蹴り上げる「天井蹴り」は見る方の心を一気に掴みます。180°近く開く柔軟な股関節と、バランスをとる軸足、軸となり体幹を支える筋肉である背面の筋肉をフルに総動員してぴたっと天井めがけて蹴り上げられるこの技こそテコンドーの型ならではの魅力であり、長年に渡って親しまれてきた理由の1つでもあります。
ITFに比べると蹴りの打点が高く、一つ一つの動作にキレがあるのが特徴です。
サインウェーブは取り入れていないのですが、空手の型同様に手数と素早さに富んだ型だといえるでしょう。
テコンドーの流派を見分けるのには型を観察してみるといいのかもしれませんね。
2. 板割について
さて、上記ではテコンドーの演武の代名詞、型について説明しましたが、今度は演武の花形ともいえる板割について解説します。
1.WTFの板割は回転技のオンパレード
ITFでもWTFでも板割は存在するのですが、WTFの板割は回転技や飛び技のオンパレードでとにかく「かっこいい」の一言に尽きます。
特に3m近い高さの板をオーバーヘッドキックで蹴り割るなど、古今東西の格闘技を見渡してもWTFならではの特徴といえるでしょう。
360°回転廻し蹴りや後ろ廻し蹴り、720°回転蹴りなど、アクションスターが映画の中で使っているような華麗で流麗な回転キックの数々を目の前で見ることができるのがWTFの板割です。
さらに空中に投げられた板をサマーソルトキックで割る演武もあります。デモンストレーションとして非常に目を引きますね。
皆さんもぜひ、華麗な足技の数々にチャレンジして板割にも挑戦してみて下さい。
以上がテコンドーにおける演武の魅力です。ITFもWTFもどちらも素晴らしいのですが「かっこよさ」でしたらWTFの演武が非常に華やかです。是非とも見てみて下さい。ご清聴ありがとうございました。
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