スキーにおいて、180度ターンと呼ばれるのは2種類が考えられます。
ひとつはキックターンと呼ばれる、停止状態での180度方向転換を行う技術のことです。
そしてもう一つは回転を重視するエクストリームスキーに種別されるスキーにおいて頻繁に使われる技術です。
これは滑走中に谷側を背にして滑り降りるために180度回転する技術です。
このうち、アルペンスキー等でも利用される技術としてはキックターンの方になります。
競技の中で使用されることはありませんが、スキーを嗜む方にとっては基本動作ともいえる重要な技術であるといえます。
1.180度ターンの使用シーン
狭い斜面や急勾配のゲレンデでは、「少し滑ってターンして方向転換」ということが難しい場合があります。
特に、滑走者の技術が充分でない場合には大きくターンすることとなってしまいます。
このようなターンですとそれだけ滑走距離をロストすることとなります。
そのため、このような場面では斜面でいったん停止し、180度向きを変えるために180度ターンを利用します。
インストラクターがいるスキースクールなどの場合には、インストラクターが講習生に対して振り向くときに多用されます。
2.180度ターンをする際の体重移動
180度ターンは、足を持ち上げて反対側に置き、後足をそれに続かせるという方法によって方向転換を行います。
しかしながら両脚に均等に体重がかかっているとこれがうまくいきません。
多くの場合、まず足を上げる際には谷足を利用します。
万が一滑走が始まってしまっても、転倒することなくボーゲンに持ち込んで立て直すことができるためです。
ですので、谷足から体重を山足に移し、谷足を持ち上げる、という体重移動の順序をとります。
足をおろすときには、板に角度がついてしまうと滑走が始まり、転倒したり身体を痛める危険性があります。
この点には充分注意するのがよいでしょう。
3.スキー板の向きだけでなく、エッジにも気を配る
それなりに急勾配な坂では、上げた谷足をおろしたときにそれほど角度がついていなくても、滑走が始まってしまうという事態が考えられます。
このような場合には体重を乗せる前に、降ろしている足の膝やエッジを意識しましょう。
斜面を滑り出してしまわないように気を配っておくことが望まれるでしょう。
また、膝関節は逆には曲がりませんので、万が一体重移動の際にスキーがわずかに動いた場合を考えておく必要があります。
膝のクッションで緩和できる程度の余裕をもった足の置き方をしたいところです。
特に、急勾配の坂や前日の気温・天候によってアイスバーン状になっているゲレンデではより注意が必要です。
充分に上達していない状態のスキーヤーは体重をかけていても板がすべることがあります。
このような点に注意して180度ターンを利用するのが望ましいといえるでしょう。
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