スキーは雪の上を気持ちよく滑ることのできるスポーツですが、ゲレンデのコンディションによってはそうもいかないシーンというのもあります。
特に未圧雪の地帯などを滑る際には、深雪のリスクを忘れてはなりません。
深雪にスキーで侵入すると、スキーは多くの場合、雪の上に乗ることなく、そのまま雪に埋もれて前進しようとします。
このままターンをしようとしても不可能です。深雪にはまったときの脱出法にはどのような手段があるでしょうか。
1.基本は深雪にはまったらスキーの動きを止めるのが先決
深雪にスキーの先端が埋まったら、そのままの状態で滑走を続けるのは非常に危険です。
まず先端が横に雪を切り裂けないことと、エッジを効かせられないため、ターンすることができません。
また、前進だけはできるので問題ないと思われがちですが、急な加速や急な制動がかかることも深雪には珍しくありません。
急加速の場合には尻もちをついて止められる可能性があるのでまだましな方でしょう。
急制動の場合には慣性の法則から、身体は前進しようとしてつんのめることになります。
こうなると、スキーにおさえられた足が邪魔となり、顔面から雪面に突っ込んでしまったりする危険があります。
さらに、その際に頑丈なスキー靴によって足を故障したりということが考えられます。
スキーヤーは前に転ばないことが上達のもっとも基本となるものです。
そのため、深雪に埋まったと思ったら、まずは近くの木につかまったり、尻もちをついて止められないかということを考えるのが大前提です。
2.板を引き抜こうとして転倒することも
普段の生活では何気なく持ち上げられる足でも、深雪に埋まっていると簡単には持ち上がりません。
そのうえ、スキーではさらにスキー靴、ビンディング、そして板という重量のあるものを装着しています。
そう簡単に足を引き抜くこともままなりません。
下手に足を持ち上げようとすると、バランスを崩して転倒するなどの二次災害が起こる可能性も高くなります。
幸いにして埋まった深度が浅く、近くに掴まれそうな立木などがあれば、それにつかまりながら慎重に引き抜くのも一つの手です。
3.一番おすすめなのは、スキーをはずすこと
とはいえ、立木に捕まっていても転倒のリスクはゼロではありません。
万が一にも、引き抜いている最中に軸足を痛めてしまったりすれば、非常に危険な状態となります。
ゲレンデでスキーをつけたり外したりという行動は、ある程度上達したスキーヤーには恥ずかしく感じるかもしれません。
しかし、怪我などを避けるためには安全を第一に考えましょう。
深雪にはまった際の裁量の選択肢は、スキーを外して手で持ち、安全なエリアで履き直す、ということになるでしょう。
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