スキーといえば、華麗にターンを「切って」いく様を思い浮かべる方も多いでしょう。
実際のところ、ターンをするには鋭くエッジを切ってターンをしていくのがパラレルターンの前提条件ではあります。
ですが、スキー板を「ずらして」ターンをするという、スキッディングターンと呼ばれる技術もあります。
パラレルターンの中では難易度が易しめの技術になります。
しかし、安全性が高いうえ単にパラレルターンまでの一時しのぎの技術ではなく、制動の考え方を柔軟に利用した独自のターン技術でもあります。
「ずらし」の利用シーンや、「ずらし」の使い方を解説していきます。
1.スキーのずらしはどのような動きをするテクニックか
スキーのずらしは、通常のターンとは考え方が若干異なります。
通常滑走時のスキーのターンは、谷側の足に荷重をかけることによって雪面をエッジに触れさせてターンをするという方法であります。
これに対して、ずらしによるターンは、まず曲がりたい方の逆の足を「ずらす」ことになります。
これによってその足に雪による抵抗を受けさせ、抵抗を受けていない方の足で曲がるというターン方法を用いるからです。
これがスキッディングターンと呼ばれる技術です。
2.ずらしはどのような場面で利用されるか
スキッディングターン、あるいはずらしと呼ばれるテクニックは、積極的にエッジを立てて斜面にアプローチをするターンではありません。
滑走時の雪の抵抗を受けて片方のスキーにあえて制動をかけ、その制動効果によってターン動作を生み出そうという発想のものです。
したがって、必然的にずらしはターンと比べて、ターン時の速度が落ちるようになっています。
このことから、ターン初心者がプルークボーゲンやシュテムターンの練習として取り入れるという基礎練習の中に組み込まれる利用方法があります。
また、エッジが立たないような凍りついた雪面、アイスバーン条の斜面やナイトスキーなどの場面で活躍するテクニックでもあります。
3.ずらしを上達させるための練習法
ずらしを行う際には、いざずらしを行うタイミングで、板の「ふらつき」を作り出さなければなりません。
これは力を込めていると雪の抵抗を切り開いてしまい、ずらしに至ることができないためです。
板のふらつきはすなわち、雪からの抵抗を受けていることを意味します。
そのため、上達のための練習では、あえて板をふらつかせるという、今までにあまりない体験をしなくてはならないでしょう。
斜面でスキーがふらつくというのは練習を始めたばかりの方には若干の恐怖を伴うことがあります。
ここで転倒せずにバランスを保ち、ある程度スキーの自然な動きに身体を任せてターンすることが、上達のための近道となります。
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