乗馬はとても楽しい趣味ですが、生き物と共に行うスポーツであるため事故が起きる可能性を考えておく必要があります。
しかし、きちんとした知識と備えがあれば事故を防いだり、怪我を最小限に抑えたりすることができます。
1.騎乗前、騎乗後の事故
騎乗時には緊張感があるものですが、その前後にも事故や怪我の可能性は潜んでいます。
馬装や手入れの時にも安全に注意しましょう。
1.足を踏まれる
単純なようですが、初心者には一番多い事故です。
踏まれる場面として多いのが裏掘りの時で、うっかり馬の体の下に足を置いて裏掘りをしていると、蹄から手を放した次の瞬間に踏まれます。
例えば、左前脚の裏掘りをする時には自分の左肩で馬の左肩を押し上げるようにすると、自分の足が馬の下側に入るのを防げるでしょう。
また、曳き馬の時に馬の進行方向に自分の足を置いてしまい踏まれる人がいます。
必ず馬の横に立ってリードするようにしましょう。
馬に踏まれたとき反射的に足を引いてしまいがちですが、ここで足を引くと骨折や脱臼のリスクがより高くなります。
足を動かさないように注意しながら、馬を押すなどしてどいてもらうようにしましょう。
2.蹴られる
まともに蹴られた場合、大怪我になるおそれがあります。
基本的に馬は穏やかな動物ですが、臆病でもあります。
そのため、驚いたときや恐怖を感じた時には自分の身を守ろうとして「蹴る」ことがあります。
不注意に馬の後ろに近づかないこと、特に競技に参加する馬がしっぽに赤いリボンをつけているのは、「蹴り癖があります」という意味なので十分な距離をとりましょう。
2.騎乗時の事故
騎乗時には落馬に注意する必要があります。
上手に落馬すれば大怪我になることは稀ですが、落ち方が悪いと大事故になります。
1.鐙がはずれない
鐙を深く踏み過ぎていると、落馬時に鐙が足からはずれず、逆さづりのまま引きずられてしまいます。
これは非常に危険なので、鐙を土踏まずより前で踏むこと、踵を下げることを徹底することが必要です。
長靴に少し高くなった踵があるのは、何かの拍子に鐙の中に足が入ってしまうのを防ぐためです。
安全に留意するのであれば、履物にも注意を払いましょう。
2.頭からの落下
馬に乗ると人の頭は地上から3メートルほどの高さになり、その高さから落ちて頭をぶつければ相当なダメージになります。
それを回避するには、落馬するときには手綱をしっかり握って放さないようにすることです。
特に馬が障害物の飛越を拒否し急停止した時、人の体は馬の前側に落下することになりますが、その時に手綱をもっていないと頭から落ちるだけでなく、頭や体を踏まれる危険が高くなります。
手綱を握って落ち、着地したら手綱を放して引きずられないようにしましょう。
しかし、落ちないのに越したことはありません。
馬が急な動きをした場合も冷静になり、基本の姿勢を崩さないようにすれば落馬の危険性は減ってくるでしょう。
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