クラシックオーケストラや吹奏楽、ジャズバンドの演奏会を聴きにいったことはありますか?曲を演奏する前に、演奏者がそれぞれに同じ音を鳴らしていますよね。
あの行為を「チューニング」といい、楽器の音程を調律することです。今回はサックスのチューニングのやり方について説明します。
1.チューニングの必要性
音楽には音階があります。ドレミファソラシ、というのは音の高さの階段のようなものです。
ドから上のドまでの間を、ある一定の階段幅にまとめたものが音階であり、その幅は決まっています。
階段の幅がそれぞれ違っていては登りにくいですし、他の人と一緒に演奏した際に別々の階段幅を持っていては音はまとまって聴こえません。
そこで、演奏者同士で音の高さを揃えるためにチューニングを行います。
2.チューナーを使用する
チューナーとは、今鳴っている音がどれくらいの高さで鳴っているかを数値化して見せてくれる機械です。
ギターなどは線でつないで音を計測していますが、サックスはチューナーについているマイクに集音させて音を判断します。
最近は持ち運びできる軽く小さいものがたくさん出ていますし、お値段は2000~6000円くらいですのでぜひ1つは持っておきましょう。
ほとんどのチューナーは電源をつけると目盛が出てきて、音を鳴らした際に目盛の真ん中(プラスマイナス0)のところを指していると「音の高さが合っている」ということになります。
右(プラス)にふれていると「本来の高さより高い」、左(マイナス)にふれていると「本来の高さより低い」ということになり、振り幅が大きいほど音がはずれていることになります。
サックスのチューニングはマウスピースの抜き差しで行い、マウスピースを奥に入れれば入れるほど音は高くなり、抜けば抜くほど低くなります。
通常はコルクが1cm程度見えている部分で演奏していますが、気温や楽器の温度、リードの具合などによって日々音程は変化していますので、その時々にあわせてマウスピースの位置を変えてください。
なお、主にピアノなどと合わせる場合の周波数は440Hz、吹奏楽などでは442Hzでチューニングされることが多いです。
3.耳で聴いて合わせる
初心者の方や中学生など、楽器をはじめて間もない人がよく陥るのが「チューナーの過信」です。
曲を吹いている間にもチューナーを目の前に置いて練習している人をよく見かけますが、実際の演奏会や発表会の本番でチューナーを見ながら演奏している人なんていませんよね?
すべての音がチューナーで0になっていれば上手いというわけではありません。
チューナーの数字を0にするために音楽をしているわけではありませんし、チューナーはあくまで「自分が普段から正確な高さで音を出せる」ための練習に使用したり、たくさんの人で合わせるときに指標として使用するためのものです。
そのためにも、実際に正確な音を耳で聴いて、自分も一緒に音を鳴らしてピッチが合っているかどうかを判断できるようにしましょう。
「合っているか違うかわからない」と言われることも多いですが、2つの音が一緒に鳴っているときに「ブブブブブ・・・」と虫の羽音のような音が聞こえたら、それは音の周波数が合っていないため起こる減少ですので「合っていない」ということになります。
「ブブブブ・・・」の感覚が短いほど音の高さの差が激しく、「ブン・・・ブン・・・」くらい間隔が空いて聞こえるなら音の高さの差は少ないということですので、自分のマウスピースを抜いたり入れたりして音の高さを調整します。
逆に、音が合っているとそういうゆらぎは一切聴こえず、まるで1人で音を出しているかのように1つの音しか聴こえてきません。
このトレーニングは初心者にはぜひおすすめします。チューナーで音を出したり、キーボードなどで音を出しておいて、そのあと自分で同じ高さの音を吹くだけでできるからです。
この練習を重ねることで自然と耳が鍛えられ、最初は「合ってる」「合ってない」しかわからなくても、次第に自分の音が「高い」「低い」までわかるようになりますので、音感テストをされている気分で根気よく続けてみてください。
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