エシャッペのやり方 | バレエのセンター・レッスン

ドン・キホーテのキトリのバリエーションで印象深いエシャッペ。エシャッペは手や顔のつけ方、表現によってとても魅力的なステップです。

ダイナミックで美しいエシャッペの方法を調べていきましょう。

目次

1.バレエのエシャッペとは

エシャッペ(仏:echappe) 「逃げた」という意味のフランス語です。

エシャッペは、「逃げる、編み目が解ける」という意味を持つバレエ用語で、バレエの基礎的なパです。

基本動作は5番に閉じた足を2番もしくは4番ポジションに一気に等間隔に開くもので、脚を開きながらルルベ・アップする動きになります。

エシャッペには、大きく2種類あります。

一つは跳躍しながら行う「エシャッペ・ソテ échappé sauté」、もう一つは飛ばない「エシャッペ・シュル・レ・ポワント échappé sur les pointes」。

エシャッペ・ソテはトランポリンを使っているように、飛んでは下りまた飛び上がる動きです。

5番から真上に飛び上がって両足を2番・4番に開いてドゥミ・プリエしながら下りる。

プリエでエネルギーを蓄積させ2番・4番から飛び上がって5番に戻るか他の動きになります。

5番に戻るときは最初とは逆の足が前になります。足を開いたときはかかとで床を押し、プリエを忘れずに行います。

シュル・レ・ポワントのほうは5番でドゥミ・プリエをしてアン・ドゥオールを怠らず両つま先は床を滑らせ足を開く、そして、2番・4番のポジションがポワント、もしくはドゥミ・ポワントになっている状態になります。

より難しいのは、シュル・レ・ポワントの方です。開くこと自体は簡単でも「一気に」アン・ドゥオールのまま甲も膝の後ろも、脚全体を伸ばしきるのは意外と難しいです。

横に滑らすエネルギーと脚を引き上げるエネルギーの使い方にコツがあります。
さらに大きなハードルなのがポワントで行う場合です。

エシャッペ・シュル・レ・ポワントは飛んではいけないのに、ポワントに乗ろうとして勢いで飛んでしまうことが多いです。

勢いをつけようとすると飛んでしまう、飛ばないように引き上げるだけにしてしまっては脚が大きく開かない、と困る方が大勢います。

ポワントに乗るには「ドゥミ・ポワントを通ってポワントにしていく」ことが必要で、そのためには脚全体を伸ばしきってから、更に膝の後ろも足首も甲も伸ばして、自分の重力を引き上げます。

まずはバーにつかまってドゥミからポワントへの動作を繰り返して足裏と足指の筋肉を鍛えましょう。

2.エシャッペのポイント

エシャッペをする際も、バレエ姿勢の基本に忠実に、お腹やおしりの筋肉へしっかり力を入れる必要があります。




また、体の脇の筋肉を意識するとよいでしょう。
脇の筋肉も、体の重さを支えるのに大きく役立ちます。

プリエに降りたとき、これらの筋肉の力まで抜けてしまうと重たい印象になります。見た目が苦しそうなだけでなく、自分自身も次のルルベ・アップに持っていくのが大変になります。

エシャッペには引き上げる筋力が大事ですが、力を入れる場所は上半身ではありません。
背中・肩・胸には力を入れず、リラックスさせましょう。

上半身が硬くなると、肩が上がって苦しそうな見た目になります。プリエではリラックスできても、ルルベのときに上半身を引っ張りすぎてしまう人は多いです。

プリエのときも、ルルベ・アップのときも、上半身の形は変えないようにキープしましょう。

5番ポジションのプリエをしっかりエシャッペをスタートするときも、終わって5番ポジションに戻したときも、かならずプリエを丁寧に行います。

かかとが浮いて、ドゥミ・ポアントのようなプリエになってしまうことは多々あります。

しっかりかかとで地面を押すようにプリエし、足の間のひし形がはっきり見えるように心がけましょう。

エシャッペをきれいにみせるには、足の伸びがとても重要です。膝・足首・甲をしっかり伸ばして、脚の美しさを魅せるイメージでやってみましょう。

また、足の開きは肩幅くらいまで大きく開きます。単純なパですが、しっかり足を開いてダイナミックにみせると、きれいなエシャッペになります。

2番ポジションのルルベのとき、両脚のかかとはなるべく向き合っているような状態が理想的です。

かかとが外側に向いてパラレルのような状態になると、おしりが出っ張り、格好悪いエシャッペになるので気を付けましょう。

内ももから膝下にかけて内側に回転させるようなイメージで、しっかり開くよう意識することが大切です。

そして、2番ルルベ・アップのとき、上半身が揺れてしまう人が多いので注意しましょう。

これは跳ねてエシャッペしている場合や、上半身に力が入ってひきつっている場合に起こりがちです。

ルルベ・アップの状態は、エシャッペの顔となるポーズです。上体が不安定で揺れないように一発でポジションに入りましょう。

間違ったやりかたでエシャッペをたくさんやると、足に負担がかかって怪我をすることになりかねません。

正しい形で続けるということが大切です。

エシャッペは練習メニューのようなパだと感じられるかもしれませんが、実際の踊りの中に入るととても魅力的な姿となります。

基礎に忠実に、表現ができるような技術を身に付けられるように取り組みましょう。




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この記事を書いた人

当サイトの管理人。元々無趣味な人間だったが、様々な趣味を試すうちに、今では超多趣味人間に。同じように趣味を探している人の役に立ちたく、本サイトを運営しています。

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