倍音とそのコントロールの練習について | サックスの演奏方法

サックス初心者の方には少し難しいお話になるかもしれませんが、初心者から少し脱出してさらに上のステップに進む際にぜひ知っていてほしい「倍音」のお話です。

フラジオという倍音を使った通常運指よりさらに高い音を演奏する技法がありますが、その際に倍音を知らなければまず吹くことができません。

倍音とはどのようなものか、またその練習方法について説明していきます。

目次

1.倍音とは

サックスは単音楽器ですが、音というのは基本的に聞こえている高さ(基音)と同時に、実際はたくさんの音が鳴っています。

何が鳴っているのかというと、「基音の周波数の整数倍の周波数を持つ音」です。

例えば「ド」の音を吹くと、うっすらとド(オクターブ上)・ソ・ミ・ソ・シ♭・ド・レ・ミ・・・(以下略)とたくさん鳴っています。

そんな音聴こえないよ?!と思うかも知れませんが、実際には鳴らしている音の2倍、3倍、4倍、・・・というものすごく高い音までが同時に鳴っていて、倍数が増えるごとに高すぎて聴こえないだけなのです。

一般的には倍音が多ければ多いほど「鋭くはっきりとした明るい音」に聴こえ、倍音が少ないと「輪郭がはっきりしない暗い音」に聴こえます。

サックスという楽器はリコーダーやフルートなどに比べて倍音の多い楽器です。

また、倍音を多く含むかどうかは奏者の演奏方法によっても強く影響されますので、同じサックスの音でも人によって音が違って聴こえるのは倍音の違いだという部分も大きいです。

ここではあくまで初心者向けに書いておりますが、もっと本格的に倍音について説明するととても専門的なお話になってしまいますので、興味のある方はぜひ調べてみてくださいね!

2.倍音を体感してみよう

では実際に楽器で倍音を体感してみましょう。




まず、リードミスといわれる「キッ!」というなんの音かわからない音がありますよね。あれを意図的に起こしてみてください。

実は、リードミスとは倍音なのです。狙っていた基音よりはるかに高い倍音が鳴ってしまうのでただの雑音として忌み嫌われますが、倍音として狙って出すには正解です。

次は最低音のシ♭のキーを押して息を入れて吹いてみましょう。低いシ♭の音が鳴りましたね。

では指は一切変えないで、そのまま1オクターブ上の音を鳴らしてみましょう。
コツは少し口の中を狭めて「ウ」というような感じで吹いてみてください。それが第2倍音です。

さらに口の中を狭めていくと、第3、第4倍音と鳴っていくと思います。

指を変えずに音を変えるので、口の中の状態を変化させていくことになりますが、口の中の状態は人によって違いますので一概に「こうしたら絶対に鳴る!」と言うことはできませんが、必ず倍音が鳴るポイントがありますので、ぜひ探してみてください。

3.コントロール方法

これは地道に練習しかありません。先程紹介した倍音を実際に何度も鳴らしてみて、自分の口の中をどのようにしたら倍音がなるかをひたすら掴んでください。

実際にフラジオの運指でフラジオ音を出してみるのも実践的な練習として効果的ですが、まずは倍音を鳴らせないとフラジオ自体も鳴らないことが多いですので、最低音からだけではなく別の音からも倍音を出せるように練習してみましょう。

最後に、サックスという楽器を演奏する上で倍音という存在は欠かせませんが、初心者でアンブシュアが定まらないうちから倍音練習をするのは危険です。

まずは基音をきっちりと出せるようになってから倍音練習に挑んでみてください。




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この記事を書いた人

当サイトの管理人。元々無趣味な人間だったが、様々な趣味を試すうちに、今では超多趣味人間に。同じように趣味を探している人の役に立ちたく、本サイトを運営しています。

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