サックスを演奏するにあたって重要なパーツである「マウスピース」。
初心者のうちは「音が出ればいいんじゃないの?」と思いがちですが、マウスピースも楽器本体と同じく個体差があり、また、各メーカーやシリーズでもそれぞれ違いがあります。
では一体何がどう違うのか?
今回はマウスピースの基礎知識と選び方についてご紹介します。
1.マウスピースの基礎構造
1.ティップレール
マウスピースの一番先端にあたるカーブの名称です。
ここが大きい=幅が広いと息をたくさん吹き込むことができるため、力強い演奏が可能です。
逆に小さい=幅が狭いと繊細な音になります。
2.ウインドウ
中に空いている、マウスピースがリードと接さない部分の名称です。
この部分が大きいとたくさん息が入るためダイナミックな演奏となり、小さいとまとまった音質となります。
3.ティップオープニング
マウスピースとリードの開きのことを指します。
ここがたくさん開いていると吹き込む息もたくさん必要となり、パワフルな音となり、開きが狭いと明るく繊細なサウンドになります。
4.フェイシング
マウスピースの先端からリードが接するところまでの長さのことで、ここが長いほど音が柔らかくなり、短いほど明るくクリアになります。
また、角度や形によっても音質が変わります。
その他にもバッフルやチェンバーなど音色・吹奏感に関わる部位はありますが、初心者のうちは音の鳴り方、音色の違いはあまりわからないかもしれません。
少し演奏に慣れて、音色の違いにこだわりたくなったら考慮するくらいでいいと思います。
2.演奏したいジャンルは?
あなたが演奏してみたい音楽ジャンルはクラシックでしょうか?ポップス?それともジャズですか?
というのも、演奏するジャンルによってマウスピースのタイプに向き・不向きがあるからです。
極端に言えば、ジャズ用のマウスピースを使って吹奏楽を演奏すると、周りと音がなじまなくなってしまったり、吹奏楽のマウスピースでジャズを演奏してもどこか物足りなく感じてしまったり、という具合です。
1.クラシック・吹奏楽用のマウスピース
初心者でも吹きやすいと思われるシリーズは
・Selmer(セルマー) S80、S90
・Vandren(バンドレン)
がおすすめです。
クラシック向けのマウスピースは全体的に柔らかくて美しい音がします。
同じメーカー・シリーズのものでも型番の数字が違うとティップオープニングなどが変わるので、吹奏感が変わってきますし、同じ型番でも個体差があります。
そのため、音にこだわりたくなったらなるべくたくさんのマウスピースを試奏させてもらって、その中から選ぶことをおすすめします。
ポイントとしては、目指す音色かどうかという点と、使用しているリードの柔らかさなどとバランスをとって選ぶとよいでしょう。
2.ジャズ・ポップス用のマウスピース
初心者でも吹きやすいと思われるシリーズは
・RICO(リコ)
・MEYER(メイヤー)
がおすすめです。
ジャズ・ポップス用のマウスピースは、息が入りやすく音の立ち上がりが良いものが好まれる傾向があります。
ティップオープニングなど各部の違いによって音質に個性が出るので、どのような音色が好みかイメージして、イメージに近いものを選びましょう。
クラシック用もジャズ用も、まったくの初めての時には楽器購入時にセットでついているマウスピースでもよいのですが、あくまで「とりあえず音が出せる用」としてのものが多いため、音色や吹奏感にこだわっている製品とは言い難いです。
少し演奏に慣れてきたら好みの音色を目指して選んでみるといいと思います。
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