楽器を演奏する上で、切っても切れないのがタンギングです。
音を全部のばしっぱなしではフレーズにメリハリがつきませんし、明るく元気な曲を演奏するときには短い音でアピールしたいですよね。
今回はサックスのタンギングのやり方について説明します。
1.サックスのタンギングの基本
タンギングとはなんでしょうか?と聞くと、だいたいの人は「音を切る」と答えると思います。
では、具体的に音をどうやって切るのでしょうか?サックスで演奏する場合の「音の切り方」を説明したいと思います。
まず、サックスの音はリードを細かく震動することで音となって聴こえています。音を止めようと思ったら、リードの震動を止めればいいわけですが、ではどうやって止めるのでしょうか?
初心者の方でよくやられるのが「息を止める(吹き込むことをやめる)」というやり方です。
確かに息を吹き込まなければリードは震動しないので、音は出ませんが、何回も連続で音を切る必要があったり、テンポが早かったりしたときにはとても不向きな方法だと言えます。
そこで、リードの震動を「舌」でとめます。実際になんでもよいので音を出して、震動している最中のリードに舌を「べっ」とつけてみてください。音が鳴らなくなったとはずです。
その時に注意してほしいのが、息は吹き込み続けてください。
息が止まれば音が鳴らないことはわかっていますので、今音が鳴らなくなった原因が舌なのか息なのかをはっきりさせるために、息は入れたまま舌だけをつけてほしいのです。
では、音が鳴らなくなったことを確認したら、そのまま舌を離して元通りにしてください。
息は吹き込み続けていたので、音は鳴りますよね?実はこれがポイントなのです。
舌をつければ音は鳴り止み、離せば再び鳴り始める。このワンセットで「タンギング」となります。
実際の演奏時には舌全体をつけて行うのではなく、舌先から1cmほど奥の部分をリードに軽くつけてタンギングを行います。
初心者の方でよくあるのが、ロングトーンはしっかり音が出せたはずなのに「タンギングをしてください」と言うと急に口の中が狭くなってしまっておかしな音になる、ということです。
これは口の中を広く使っていたのにタンギングをしなければと思うことで急に喉元から舌が上がってきてしまうためです。
これを解消するために、まず口のトレーニングをしてみましょう。
2.「To(ト)」の練習
マウスピースをくわえている時の口の形は「ウ」や「オ」のような口になっているはずですので、タンギングももちろんその口の形のまま行います。
よくリコーダーでタンギングの説明を聞いたときに「トゥトゥトゥ」と聞いている人が多いようですが、それに近い形となります。
リコーダーとは違いサックスは口の中を広く開けているので、「Tu(トゥ)」ではなく「To(ト)」で練習してみてください。
何もくわえないで「トトトトトト・・・」と言ってみて、舌が上の歯の裏についている部分がリードにつくくらいで吹くようにしてみましょう。
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