フラダンスの名曲「アロハオエ」

フラダンスには古くから踊られているスタンダードな名曲がたくさんあります。

その中でも代表的な曲の歌詞と和訳、曲の舞台や背景などを紹介します。

今回は、フラダンスを知らない人でも一度は耳にしたことがある名曲「アロハオエ」です。

1.Aloha` oe

Ha`aheo ka ua i na pali   雨が誇らしげに尾根を横切り

Ke nihi a`ela i ka nahele   森の中を通りぬけていく

E hahai ana paha i ka liko   未だ開かぬつぼみを探しているかのように

Pua `ahihi lehua o uka    山あいに咲くレフアの花よ

Aloha `oe, aloha `oe     あなたにアロハ あなたにアロハ

E ke onaona noho i ka lipo   木の陰に佇む心優しき人

A fond embrace a ho`i a`e au   去って行く前にもう一度あなたを抱きしめよう

Until we meet again      また会えるその時まで

`O ka hali`a aloha i hiki mai   懐かしく暖かい思い出が胸をよぎる

Ke hone ae nei i ku `u Manawa   ついこの間のことのように

`O `oe nō ka`u ipo aloha   愛する人よ 我が愛しき人よ

A loko e hana nei   真心は決して引き裂くことはできない

Maopopo ku`u `ike i ka nani   私はあなたの素晴らしさをよく知っている

Nā pua rose o Maunawili   マウナヴィリに静かに咲くバラの花

I laila hia`ia nā manu   そこにいる啼かない鳥たち

Miki`ala i ka nani o ka lipo   そして木の陰にいる美しい人

Aloha `oe, aloha `oe     あなたにアロハ あなたにアロハ

E ke onaona noho i ka lipo   木の陰に佇む心優しき人

A fond embrace a ho`i a`e au   去って行く前にもう一度あなたを抱きしめよう

Until we meet again      また会えるその時まで

注:カハコー(長音記号)は省略してあります。訳はWikipediaより引用。

2.リリウオカラニ

アロハオエは、ハワイ王国最後の女王(第8代)リリオウカラニが詞を書いた曲です。

作曲もリリウオカラニ女王の手によるものだと言われていますが、これには既存の曲を転用したという説もあり、今ではそれが有力だということです。

書かれた時期については諸説あります。

まず、1878年に書かれたという説。




オアフ島のマウナウィリにある宮廷執事のボイド大佐の実家を訪れたリリウオカラニが、ホノルルに帰る日に景色を眺めに行ったカネオヘ湾で、ボイド大佐とマウナウィリの少女が別れを惜しむ姿を目撃し、その切ない様子を歌詞にしたというお話です。

Aloha `oeという言葉は、「さようなら、あなた」と訳すこともできるので、このお話を頭に曲を聴くと、女王が見た風景が目に浮かぶようです。

もう一つの説には、少し政治的な意味があります。

弱体化していた王権の復古を試みてアメリカの勢力と闘っていたカラカウア王が1891年に亡くなり、妹であるリリウオカラニが王位につきました。

ハワイをアメリカに併合しようとする共和制派と王政を守ろうとする王政派が争う中、共和制派は1893年に王政廃止と臨時政府樹立を宣言、翌1894年にはこの臨時政府がハワイ共和国の独立宣言をします。

1895年、王政派の反乱は新政府軍に鎮圧されますが、リリウオカラニの私邸やイオラニ宮殿からたくさんの銃器が見つかり、リリウオカラニは反乱の首謀者の容疑で逮捕され、イオラニ宮殿に幽閉されます。

その幽閉中に、滅びてゆく祖国の姿をしのびながら書いたのがアロハオエの歌詞だと言われています。

共和制の勢力を雨、レフアの花をハワイの人々、木の下に佇む心優しき人をハワイ王国とそれを守って来た人々に置き換えて読んでみると、女王の心情が胸に迫ります。

その後リリウオカラニ女王は、反乱で捕らえられた約200人の人々の命と引き換えに女王廃位の署名をさせられ、ハワイ王国はここに滅亡を迎えるのです。

リリウオカラニは1917年に79歳で死去するまで、旧女王としてハワイの人々に愛され敬われたといわれています。

3.まとめ

ハワイアンの名曲として誰もが知っている「アロハオエ」

でも、あまりにも有名なこの曲の背景に、ハワイ最後の女王リリウオカラニの、苦悩に満ちた人生と祖国に対する思いがあることを、知っている人は少ないでしょう。

この歌が長く親しまれているのは、ハワイの人々が女王を愛し敬う気持ちを持ち続けているからなのではないでしょうか。

長く愛されている名曲を踊ることは、フラダンスを学ぶ上でとてもいい経験になります。

そして、曲の背景を学ぶことも大切な経験の一つですので、この機会に教わった曲について自分なりに調べてみるのもいいかと思います。




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