一蹴必倒のためにテコンドーの威力に迫る

古今東西、空手やキックボクシングなど多くの格闘技があります。

その中で打撃技は、相手を倒しうる威力を追求し、筋力アップやスピード、攻撃を当てる角度などを計算しつくされ練習体系や技の出し方が長きに渡って研鑽されてきました。

では威力にスポットを当てた場合、テコンドーは相手を倒せるだけの威力を伴っているのでしょうか。

1. テコンドーの蹴りは威力よりも速さを追求

結論から言えば、テコンドーの蹴りは威力よりも速さを追求しているため、威力を純粋なパワーとして捉えた場合、他の打撃系格闘技と比べるとどうしても「効かない攻撃」になりやすいといえるでしょう。

しかしながらテコンドーはポイント制の格闘技であると同時に、武道である側面も持ちます。そのなかで先人は威力を磨くためにたゆまぬ努力を研鑽してきました。

1.板割りによって力を集約させる技術を磨く

テコンドーの演武や昇級課題において分厚い杉板を数枚重ねて突きや蹴りで割るという演目を見たことはありませんか。

実はあの演目はウィリョク(威力)またはパワーブレイキングといって、もともとテコンドーの持つ蹴り技の破壊力を高めるために編み出された練習体系なのです。

分厚い板を割るためには純粋な筋力だけでは割れません。

全身の力を拳頭やかかとの一点に集め、目標に対して直角に、かつ全力で当てた時に初めて割ることが可能になります。

テコンドーは瞬間的に力を入れるために、インパクトの瞬間だけ力を一点に集約することが強調されてきました。

そのため、テコンドーは「空手やキックボクシングのように重さはないが鋭い蹴り」といえるでしょう。

2.試合でなぜ人が倒れるのか

さて、上記ではテコンドーでの練習体系である板割りについて述べましたが、よく考えてほしいことがあります。

板割りの板は分厚いですが、動かないように固定されています。試合では当然相手も動きますし反撃だってしてきますよね。




一般的に動き回っている目標に蹴りを当てた場合、固定された目標を蹴ったときに比べて衝撃力は30パーセント近く減少するといわれています。

では、なぜ動き回る相手に攻撃が決まって相手が倒れる場面が多いのでしょうか。

1. テコンドーの極意はカウンターにあり

テコンドーにおいて、KO勝利、つまり相手を倒して勝利した場合の90パーセント以上が実はカウンターで攻撃が決まったときです。

では、なぜカウンターがあれほどの威力を生むのでしょうか。

そもそもカウンターというのは相手が攻撃を仕掛けたタイミングで自分の攻撃を当てる技術です。相手の攻撃によるエネルギーがこちらに向かってきているのです。そこに攻撃を当てるとどうなるでしょうか。カウンターの攻撃力は自分の攻撃と相手の攻撃が合わさって凄まじいものとなるはずです。数値にして自分の攻撃力の2倍になるでしょう。

つまり、自分の攻撃力に相手の攻撃力が加算されることで、相手を倒せるだけの威力となって襲い掛かるといえます。

さらに相手にカウンターが決まる時というのは、大抵が自分に対して向かっているとき、ベクトルが前方向に向かっているときです。

攻撃の瞬間はベクトルが前に勢いよく向かっています。車は急には止まれないとはよく言ったもので慣性が働いているので簡単に自分の体を止めることはできません。

つまりよけようのない攻撃をダイレクトにもらってしまうから相対的に「固定された状態と同じになってしまう」のです。

カウンターで人が倒れてしまうのはベクトルが前に向かってきた瞬間を捉えるからです。

以上がテコンドーの威力についての解説です。テコンドーの攻撃は確かに空手などの打撃格闘技に比べると重さはありません。その代り全身の力を一点に集約させるための技術と相手が向かってきた瞬間を正確に捉えるためのカウンター技術でカバーするために長い間研鑽されてきたのです。ご清聴ありがとうございました。




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