呼吸力について | 合気道の基本

基礎は奥義に通じる、こんな台詞を何処かで聞いた事がある方もいるのではないでしょうか。

今回は、合気道を習う上でどの道場に行っても必ず大切にされる基礎の練習、「呼吸力(呼吸法)」についての紹介をします。

1.呼吸力

人が生きて行く上で必ずする事、その一つが呼吸です。

呼吸をしなくて生きていける人がいるでしょうか。およそ生物と分類されるものは全て何らかの形で呼吸をしています。

呼吸力とは「誰もが平等に行っている事」、自然体に焦点があてられた稽古であり、技です。

自然体とは、誰もが自然に行う事です。才能がないと出来ない・性別・体格・年齢に左右されない事だからこそ、合気道の基礎であり全てになったのだろうと私は考えています。

1. 呼吸力の実感

道場、師範により辿り着く方向性は違いますが、私が体験した呼吸力の実体験を紹介します。

今から書く事は、どなたでもお二人であれば実感できます。

怪我をする様な事ではないと思いますが、よく読んだ上でご興味があればお試し下さい。

まず、一人が座ります。椅子に腰掛けるでも問題ありません。

その際に普通に呼吸をしてみましょう。

ごく自然に呼吸をする場合、肩が上下するはずです。

次にもう一人の方は座っている人の肩に手を置いて下さい。

手を置くと、肩が上下するのが分かるはずです。

その状態は「呼吸を感じている状態」と言えます。

ここからが呼吸力(呼吸法)の実感となります。体験の準備が簡単過ぎるので疑問を覚える方もいらっしゃるでしょう。

ではこの状態で、肩に手を置いている方は呼吸による肩の上下運動がされない様に力を入れて抑えてみて下さい。

まず、上下運動を止める事は無理です。よほど特殊な状況を作らない限り成し得ません。

全体重を余すことなく一点に集中できる様な状況を作れれば可能かもしれませんが、その状況を作り出す事の手間に比べて、呼吸をする事の手間の少なさは語るまでもない事です。

人が意図的に作り出す力よりも、「人が自然体の中で行う際に、自然に発せられる力の方がとても大きく効率が良い」という事に着目されているのが、合気道における呼吸力と私は体験を通して考えました。

逆の視点から考え場合、人が意図的に作る力は限度があるという事になります。

「脱力」という単語を聞いた事がある方も多いのではないでしょうか。




記事をご覧になっている皆様も腕に力を込めると固くなっていくと思います。同時にとても
強く力が込められている事を認識できるはずです。

脱力している状態と力を込めた状態、一見すると後者の方が力強さを感じるはずです。

では、TVなどでも見るプロの格闘家は、常時力を込めて棒立ちの方が多いでしょうか。

違うはずですね。常に動きつつ、真剣に相手の隙を伺いながら変化していく状況に合わせています。

そして、一瞬の隙をつける速度の打撃やタックルを使い攻防を有利に進めています。

脱力する事により、意識と身体を自然体に近づける事でその速度や威力を出しているのです。

武道だけでなく、様々なスポーツにも共通する基礎や奥義となる自然体に近付くという事が、呼吸力を鍛えるという事となります。

2.呼吸力の上達

呼吸力の上達のコツを考えるにあたり、大事な事があります。

それは、一長一短で身につくものでは無いが常に理解しようとする心を忘れない事です。

一般的な稽古ですと立った姿勢では、相手に片手か両手を掴んでもらった状態からスタートする事が多いと思います。

座った姿勢では、正座の状態であれば膝の上にあるであろう両手を相手に抑えられている状態から始まる事が多いのではないでしょうか。

そしてこのページを見ている方の多くは、掴んでいる・抑えている側だと思います。

技をかけられる側で上達のコツなんてあるの?と思う方が多いでしょう。

しかし、技をかけられる際にこそとても大きな上達のコツがあります。

そのコツとは、相手と接している部分である「掴み手」です。

相手に技をかけられる際に、相手の手を掴み続ける様に努力して下さい。

力んで硬直するのではありません。「掴み続ける」です。

掴んでいる相手の手が移動すれば、当然こちらも掴み続ける為に身体を動かさなければなりません。

身体を動かすという事は、体が崩れる(体勢が悪くなる)事です。

そうすれば相手が技の動きをしてきた時に、自然に技が自分に掛かっていきます。

ワザとかかるのでありません。相手に合わせて「掴む力」を継続した結果、技にかかるのです。

力の流れを理解する事を忘れずに稽古を続けていきましょう。

以上、合気道経験者の考える呼吸力と上達のコツでした。




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この記事を書いた人

当サイトの管理人。元々無趣味な人間だったが、様々な趣味を試すうちに、今では超多趣味人間に。同じように趣味を探している人の役に立ちたく、本サイトを運営しています。

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